第85話 力比べ
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ので直撃こそ避けたがそれでも無視できないダメージを負ってしまった。
「そこっ!」
「むっ!?」
だがフィーも唯では転ばなかった、アイネスに目掛けて銃弾を放ったのだ。その銃弾はアイネスの頬を掠めて鮮血を垂らす。
フィーはその間に薬を飲みダメージをある程度回復させる、だが傷そのものが無くなるわけではないので以前フィーが不利だった。
「やるな、攻撃を受けながらも反撃を試みるとは……その年ですさまじい執念だ」
「やっと好きな人と結ばれたんだもん、簡単には死なないよ。でもさっきの一撃は加減したでしょ?どうして?」
「私はお前達の実力を測るようにマスターから言われたのでな、殺すわけにはいかないのだ。もっとも先程程度の一撃で死ぬなら話は別だが」
「言ってくれるね、まったく……」
フィーは一方的に勝負を挑んできたにも関わらず悪びれずにそう言うアイネスに呆れた溜息を吐いた。
しかしフィーも内心助かったと思った、先ほどの一撃が完全に殺すつもりだったのなら自分は死んでいたと思ったからだ。
「……そっちがそのつもりならわたしも利用させてもらうよ」
「なに?」
「わたしの踏み台になってもらうって事、別にいいよね?そっちもわたし達を試そうとしてるんだし」
フィーはアイネスを利用しようとした。アイネスはかなりの実力者だ、本来なら自分も本気で……それこそ死ぬか殺すかの覚悟で挑まなくてはいけない相手だ。
だが相手は自分が死なない程度には加減してくれると分かったのでフィーもそれを利用しようと思ったのだ。
フィーは強さを求めている、リィンやラウラ、西風の旅団という家族を支えられるように子供ながらに必死だった。
だがここ最近身喰らう蛇という世界の裏側に潜む闇の集団と対峙した。フィーはレオンハルトやブルブランという執行者と対峙したがどちらにも痛い目にあわされた。
特にレオンハルトは恐ろしい奴だった。リィン、ラウラ、オリビエと共に完全に敗北した。もしレオンハルトが見逃さなければ全滅していただろう。
更に先日リィンが痩せ狼ヴァルターという執行者にやられてしまった。それを知ったフィーは心の底から恐怖した。
自分が想像していたよりも身喰らう蛇のメンバーは層が厚く強者揃いだった、そして剛毅のアイネスもその一人……間違いなく強い。
自分よりも強い強者と戦う、これ以上の修行は無いだろう。しかも相手はある程度手加減してくれると言うのだ、利用しない手はない。
「はっはっは!私を踏み台にするだと?そんな事を言ったのはお前が初めてだ!」
フィーに踏み台にすると言われたアイネスは怒るどころか豪快に笑いだした。
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