第85話 力比べ
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
スに放つ、アイネスはカウンターでハルバートを横なぎに振るってくる。
「甘いのはそっち」
だがフィーはそれを走りながら上半身を大きくそらして器用に回避した。そして振るいきったアイネスの胴に斬りかかる。
長物の弱点は懐に入られると武器を扱いにくくなってしまう、フィーはその弱点を見事についていた。
だがアイネスという猛者はそんな簡単な相手ではなかった。
「はぁっ!!」
「ぐっ……!」
アイネスは片腕を自由にするとワンインチパンチをフィーに放った。
このパンチは相手と1インチ(妬3p)の至近距離からテイクバックなしで放たれるパンチだ、フィーは咄嗟にガードをするがアイネスの膂力に体が浮いて後方に飛ばされてしまった。
「そう簡単に行かないよね……」
フィーは吹き飛びながらも予め安全ピンを向いておいた閃光手榴弾をアイネスの足元に転がしていた。そして眩い光がアイネスを襲う。
「むっ!」
アイネスは目を隠してガードするがフィーはエリアルハイドで気配を消してアイネスの背後に移動していた。
(貰ったよ)
そして意識を刈り取るべくその首筋に目掛けてみねうちを放つ。
「なっ……!?」
だがフィーの一撃は当たらなかった、アイネスは死角からの完全な不意打ちを回避したのだ。そして無防備だったフィーの腹部にソバットで蹴りを打ち込んだ。
「ガハッ!」
フィーは攻撃を受けながら何故動きを読まれたのか理解した。
(ここは直線的な通路の上、動きもある程度読みやすいんだ……!)
そう、フィーとアイネスが戦っている場所は遺跡を繋ぐ空中通路の上だ。その通路は直線的で狭くフィーの武器の一つである速さを活かすには向いていなかった。
そもそもフィーはそのスピードと身のこなし、そして壁や障害物も利用して動く縦横無尽にして変幻自在な戦いを得意としている。その為彼女が一番能力を発揮できるのは狭い室内や障害物の多い森や町などでの戦闘だ。
だがここは身を隠す事の出来ない真っ直ぐな通路だ、おまけに狭いので縦横無尽に動き回ることが出来なく必然的に直線的な動きになってしまう。
アイネスは目を隠した際に自身の感覚を背後に集中させた。如何に早くても来る場所が予想できるなら対処は容易い、そして見事にフィーの不意打ちを防いだのだ。
自身の失敗を感じながら口から唾液を吐きフィーが後退する、すぐに体勢を立て直そうとするがアイネスは既にハルバートを構えていた。
「兜割り!」
そして地面が砕けるかのような衝撃と共にフィーが引き飛ばされた。咄嗟に自分から後ろに飛んだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ