4-2
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
その夜は、私の入学祝でと、ステーキ肉を私と桔梗にお母さんが焼いてくれていた。お父さんは、まだお店があるからと後で、ゆっくりと飲みながら食べるらしい。
だけど、私はお父さんが戻って来て、お風呂からあがるのを待っていて
「お父さん ウチ 朝はお店 続けるけど 試合が直ぐにあるっていうから・・そのー 土日とかも練習あって 夜も お店に出られへん えらそうなこと 言ってて ごめんなさい」
「うー なんの話だ? 山葵の兄弟子は健也だから 健也に謝れ ワシは知らんことだ 別にアテにもしておらん よく動いてくれているけどな」と、ビールを口に運んでいた。
「・・・すみません・・」と、お風呂に行こうとしたら
「山葵 府の代表になるんだろー? がんばれよ お前なら きっとなれるからな」と、後ろから声がした。
「ウン ヤル」と、言って、不器用なあの人にしては、珍しく・・・お風呂で少し泣けてきていた。
部室はコートの側にあるのだけど、シャワー室は体育館の横にあって、少し離れている。部室に入ると、真ん中の机に (新入部員は着替えてコートに集合。ロッカーはそれぞれの名前が貼ってあるところ) と、張り紙があった。
コートには、部員の人のグループと新入のグループとかなんとなく別れて集まっていて、新入が揃ったかと思ったら、部長らしき人から「集合」と、声がかかった。円陣になって、新入生だけが1列になって・・・6人だ。それぞれ自己紹介をして・・そのうち、中学の経験者は3人。そして、3年生は2人、2年生は8人なのだ。部長は2年生の織部操《おりべみさを》という人。試合を何回か見たことがあった。
そして、未経験者の3人は部長がラケットの振り方を指導していて、コーチは部員相手に指導していて、そして、もう1面では、私等3人に2年生になった岸森璃々香のサーブを返す練習をいきなり。順番に50球ずつということだった。私は3番目だったのだが、前の2人は最初から全く返せず、30回ほどの時、ようやく2回に1回なんとか返せているといった状態だった。それからは、緩い球でラリーをやっていると言う感じだった。芦原麗香《あしはられいか》と小野川美湖《おのがわみこ》。大会の時、なんとなく見覚えがあるのだけど、そんなに上位まで残っていなかったと思う。私は、あんなサーブぐらい返せるわよと見ていたのだ。
私の番になって・・・えぇー 返せない 他の二人とちゃうやん! 早いし、たまにスピンかかって来るしーぃ それでも、喰らいついていったのだけど
「もたもたしないで、早く真ん中まで戻んなさい!」「腕だけで打ってるよ! もっと、腰まで身体全体でね!」「早く 動きなさいよー」と、1球ごとに厳しい声が飛んできていた。だって、中学の時と全然、球の速さが違うのだ。返せたと思
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ