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おっちょこちょいのかよちゃん
293 更に北方へ
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て懲らしめたい所だ」
 その時、トランシーバーが鳴った。
「此方レーニン」
『此方妲己でございます。今私達は煬帝様の屋敷に避難させて貰って体制を立て直しています』
「そうか、貴様にまた頼みたい事があってな、スターリンやトロツキー、赤軍の連中もそちらに向かって戦力を整えているとは思うが、そこで杖と護符の所有者を襲撃し、私に献上させるのだ。できなければ私も赴く」
『はい、仰る通りに致します。私の配下の者も使わしましょう、それからですが・・・』
「何だ?」
『実は前に紂王様の屋敷の付近で藤木茂坊のかつての恋人だったというおなごが坊やを連れ返そうと来ておりまして。その時は追い返しましたが、まだ殺しきれていない状態です。その小娘の討伐の許可を求めたいのですが・・・』
「何だ、その藤木茂の元恋人だと?まあよい、貴様に任せよう。但し邪魔が入る可能性に気をつけよ」
『了解』
 通信は終了した。杉山は後半の通話内容が気になった。
(藤木の元恋人・・・?って事はまさか笹山がこの世界に来てんのか?)

 朝食どきとなり、かよ子達はいつもの如く寝坊しているまる子を起こし、食事をするのだった。
「そういえば前にレーニンの声が聞こえた時に藤木君は連れ帰せたとしても喜ぶかって言われた事があったよね・・・」
「え?ああ、そうだったな」
 大野も思い出した。
「あの屋敷で会った時藤木君は帰るのをとても嫌がってたんだ・・・。本当にそうだったよ」
「そうか、それじゃあ、あの世界は楽しそうなんじゃな。温泉もあるし、御馳走も食べられるし・・・」
 友蔵はあまりにも外れた方向で考えていた。
「爺さん、そういう問題じゃありませんよ」
 関根は呆れた。
「ああ、そうじゃった・・・。やっぱり藤木君はそのままにしておいた方がいいのかのう?」
「そう言うわけにはいかないよ!」
 かよ子が反論した。
「そうだったなブー!」
「ああ、そうだ、かよちゃん。確か藤木君はあの屋敷で戦った人と一緒に行ったんだよね?」
 椎名が聞いた。
「はい」
「確か本部守備班の友達。何て名前だったっけ?」
「な、長山君です・・・!!」
「そうか、後で長山君に聞いてみるといいよ。その人達が今どこで何をしているのか解るかもしれないからね」
「はい!」
 かよ子は食後、長山に連絡をするのだった。

 かよ子の父は妻や娘の無事および勝利を祈るべく御穂神社にて参拝していた。
(どうか妻と娘が向こうの世界で負ける事なく戻って来れますように・・・。そしてまた戦争への道など嫌です・・・!!)
 かよ子の父はそう祈願した。
「貴方が杖の所有者の御父上でございますか」
 声が聞こえた。
「だ、誰だ!?」
 その場に神のような人物がいた。
「私はこの神社に祀られている三穂津姫
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