第百三話 夏休みの宿題その七
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「そうした人こそね」
「地雷よね」
「実際その人もう誰も告白しないみたいね」
「する筈ないわよね」
咲はそれを当然とした。
「だって好みじゃないとね」
「相手を徹底的に傷付ける人ね」
「そこに悪意がなくても」
咲はここに太宰のかちかち山の兎と同じものを見た、純真な悪意のない邪悪な残虐さというものをだ。
「そうする人なんて」
「誰も付き合いたくないわね」
「断わるのはよくても」
「好みがあるからね」
「それでも相手は傷付けない」
「騒がないでね」
「静かにね」
あくまでというのだ。
「そうするもので」
「あの兎みたいに殺してないけれど」
「物凄く傷付けるから」
その心をというのだ。
「人がそれ見たらね」
「これは付き合ったら駄目だって思うわね」
「それこそね」
「誰だってそう思って」
「嫌うわね、いやそうした人になりたくないわ」
咲は今心から思って言った。
「私はね」
「人を傷付ける様な人には」
「酷いことはしたら駄目よ」
絶対にというのだ。
「それに因果応報だからね」
「悪いことしたらね」
「自分に返ってくるものよ」
「そうよね、世の中って」
同級生もそれはと応えた。
「悪いことしてるとね」
「その報いがよ」
「返って来るわね」
「実際この本校のお話も」
これもというのだ。
「けしかけた後自分達が女の子達に言われるって思って逃げたお友達はこのこと知れ渡ってね」
「本校の嫌われ者達でね」
「女の人もね」
「地雷だってわかって」
「やっぱり嫌われ者だし」
そうなったからだというのだ。
「悪いことはね」
「報い受けるわね」
「性格が悪い人なんて」
咲はさらに言った。
「親戚でもね」
「いて欲しくないわよね」
「絶対一人はいるけれどね」
親戚の中にはというのだ。
「どうしてもね」
「世の摂理よね」
「あまりよくないね」
「それでそんな親戚の人は」
「誰も近寄らなくなるわ」
例え身内でもというのだ。
「法事とかの集まりでも声をかけられないわよ」
「そうなるわね」
「顔も向けられないわ」
「完全無視ね」
「性格が悪いなら」
それならというのだ。
「例えば我儘で底意地悪くて執念深くて自分以外の生きもの皆大嫌いで図々しくてヒステリックなら」
「それかなり酷いわね」
同級生も聞いて呆れた。
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