暁 〜小説投稿サイト〜
X ーthe another storyー
第二十二話 姉妹その九

[8]前話 [2]次話
「再びです」
「剣が生まれるのですね」
「あの場所で」
「運命が繰り返され」
「そのうえで」
「そしてあの少女も」
 丁はさらに言った。
「記憶を蘇らせるのです」
「悲しいことですが」
「避けられませんか」
「その運命の為にも」
 まさにというのだ。
「神威達に伝えましょう」
「それでは」
「その様に」
 二人は丁に静かに応えた、そしてだった。
 二人は完全に起きた丁を一室に案内しそこで朝食を出した。膳の上に置かれた豪勢な和食のそれをだった。
 丁は食事を摂った、上等の漆塗りの食器や箸を使って食べたが。
 ふとだ、丁はこんなことを言った。
「かつては庚ともです」
「あの方もでしたね」
「姉妹でしたので」
「共に食べました、しかし今は」
「お一人だと」
「そう言われますか」
「一人で食べますと」
 そうすればというのだ。
「美味しくとも味気ないですね」
「あの、私達では」
「とてもです」
 二人は丁に畏まって答えた。
「丁様の様な方とはです」
「ご相伴に預かれません」
「わらわはいいのですが」 
 悲しい顔で話した。
「総理ですらです」
「そう言われますね」
「丁様には」
「やんごとなき方々だけが」
 こう言うのだった。
「して頂けますが」
「しかしそれは」
「あの方々は」
「非常にお忙しく」
「またこちらにも」
「来られることは稀です、ですから」
 その為にというのだ。
「わらわは食事もですね」
「お一人だと」
「そう言われますか」
「はい」
 だからだというのだ。
「そう思う時があります、ですが」
「ですが?」
「ですがといいますと」
「そう思うことは贅沢です」
 自分を戒める様に話した。
「貴女達が傍にいてくれて玳透殿もいてくれて」
「今日も来て頂けます」
「授業が終わりますと」
「何よりです」 
「天の龍ですね」
「あの方々もですね」
「おられるので」
 だからだというのだ。
「一人ではないですね、むしろ」
「多くの者がいる」
「周りにはですか」
「そうですね、孤独を感じますと」
 そうなると、というのだ。
「そこからずるずると引き摺られますね」
「孤独の中に」
「そうなりますか」
「そうです、孤独は恐ろしいもので」
 それでというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ