第二十二話 姉妹その七
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「彼女も非常にです」
「残酷な運命が待っていますか」
「母の死の真相を知るという」
「惨いことですね」
「いえ、まだです」
丁は俯いて述べた。
「運命は続きます」
「惨いそれが」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「死ぬのです」
「そうですか」
「ですからまだです」
それはというのだ。
「惨い運命は止まりません」
「そうですか」
「その死までは」
「死は全てを終わらせますね」
「少なくともこの世の生は」
それはというのだ。
「そうなります」
「そうですね」
「それは誰もはです」
「私も彼女も」
「わらわも」
丁は自分もと話した。
「同じです、死ねば」
「それで、ですね」
「全てが終わります、そして」
時鼓にさらに話した。
「この役目も」
「終わりますか」
「これまで数多くの不幸と絶望を見てきましたが」
夢見そして影贄の仕事の中でというのだ。
「それがです」
「終わるというのですね」
「そうです、ですから」
それ故にというのだ。
「待ち遠しくも思っています」
「丁様、それは」
「失礼、口が過ぎました」
時鼓の諫めに悲しい顔で応えた。
「それではこのことは」
「そうされて下さい」
「はい、それでなのですが」
丁はあらためて話した。
「貴女はです」
「これよりですね」
「神威達のところに行かれますね」
「そうさせて頂きます」
「途中地の龍達が何かしてくるかも知れないですが」
このことも話した。
「しかし」
「それでもですね」
「何としてもです」
「彼のところにですね」
「行って下さい」
「そうさせて頂きます、では」
「これっでお別れですね」
丁は悲しそうにこうも言った。
「そうですね」
「はい、この生では」
「ではさようなら」
「別の世でお会いしましょう」
二人は頷き合い別れた、そしてだった。
丁は自分の夢に戻った、そのうえで今は眠った。そして起きると傍に控えていた緋炎と蒼氷に対して言った。部屋は和室で平安のそれを思わせる褥の中にいる。
「間もなく剣が来ます」
「天の龍の神威の下に」
「そうなりますか」
「はい」
起き上がって話した。
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