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弟を制御せし者
第一章
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てきた。
「すいません、よく言って聞かせますので」
「あっ、いや」
「別にいいわよ」 
 夫婦は何度も深々と頭を下げる氷雨に引きながら応えた。
「そんなね」
「いつものことだし」
「そうだよ、兄貴も義姉さんも入れてくれるしさ」
 智樹は何でもないといった顔で氷雨に言った。
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