第84話 西風の絶剣VS魔弓のエンネア
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背後から3本の矢が飛んできた。リィンはそれを太刀で切り落とすが今度は左斜め上から4本の矢が襲い掛かる。
「馬鹿な、複数人いるのか!?」
息も吐く暇もない怒涛の矢の雨にリィンは驚愕する。この短いサイクルの間に四方八方から矢を放つなど一人では不可能なはずだ。
「ちぃっ!」
リィンは太刀を振るったばかりで体勢が崩れていた、先ほどのように太刀で切り落とすには不安定な状態だった。
だからリィンは体をひねってジャンプして矢を回避した。しかしそこにまた背後から2本の矢がリィンに向かってきた。
(まずい、この状態じゃ回避できない……!?)
ジャンプしてしまったため動けなくなったリィンは太刀を背中に回してなんとか一本の矢を防いだ。だがも一本の矢はリィンの背中の右肩辺りに突き刺さった。
「がっ……!」
痛みで苦痛の声を上げるリィン、だがリィンは転がりながらも障害物の陰に身を隠す事に成功する。
「くそっ、何処にいるのか分からないぞ!」
痛みを抑えながらリィンは相手の気配が読めなくなった事に気が付いた。
「もしかしてこの霧が……?」
フィーほどではなくとも自分も相手の気配を読むことには長けていると思っていたリィンは、この気配の読めない状態が霧にあるのではないかと気が付いた。
「くそっ!」
だが休む間もなく飛んで来る矢をリィンはなんとかかわす、だがその動きは先程より鈍いものになっていた。特に右腕はまるで固まったように動かなくなっている。完全に動かないわけではないが力が入らない。
「なんだ、体が重いぞ……麻痺か?」
リィンは自分の体の異常に気が付いて状態異常の麻痺かと考える、だが麻痺にしては全体ではなく部分的に動かない右腕を見て可笑しいと感じていた。
『私のメデュースアローを喰らっても動けるなんて貴方はどんな体をしているのかしら?その矢は石化の状態異常を与えて一回でも喰らえば動けなくなるはずなのに』
するとエンネアは丁寧に自身のクラフトを説明した。リィンの右腕が動かないのは先程右肩に喰らった矢が原因らしい。
リィンはD∴G教団の実験で状態異常に対して強い耐性を得ていた、特に体の動きを阻害する麻痺や石化などには高い耐性がある。
なので完全に動きが固まることはなかったが右腕が動かなくなったリィンは辛そうな表情を浮かべる。
(利き腕をやられたのは痛いな……回復しようにもこの攻撃の速さでは隙が無い)
利き腕をやられてしまったので上手く太刀を振れなくなってしまった、回復しようにもそんな隙をエンネアは与えない。
(とにかくまずはエンネア
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