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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その八

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「してくれる」
「百ではなくですね」
「私は常に百の働きを想定している」
「左様ですか」
「だがそこでだ」
「百二十の働きをしてくれていると」
「発展の速度は速く」
 そしてというのだ。
「その内容もな」
「素晴らしいものになりますね」
「そうなる、だからだ」
 それ故にというのだ。
「私は有り難く思っている。しかし」
「しかしといいますと」
「私はあくまでだ」
「人の働きはですか」
「機械もだ、百を想定している」
 それだけだというのだ。
「より少ない場合もあるが」
「百どころかですか」
「九十、若しくは八十を想定してだ」
 そしてというのだ。
「政策を考えることもだ」
「ありますか」
「数値通りのことになるものではない」
「政治というものだ」
「数値目標なるものを設けてもだ」
 それでもというのだ。
「その通りになるものではない」
「数値は数値ですね」
「そうだ」
 こうカミュに答えた。
「あくまな」
「だからですね」
「数値通りにはだ」
「ことは進まないですし」
「達成されることもない」
「左様ですね」
「共産主義は常に達成していた」
 その数値目標をというのだ。
「そうなっていた、だが」
「その実はですね」
「数値だけのことでだ」
 それに過ぎなかったというのだ、このことはほぼ全ての共産主義国家において見られたことであった。
「その内容はな」
「その目標を達成出来ていなかったですね」
「大抵な」
「それでは意味がないですね」
「そうだ、目標より下になることもあるのだ」
 そうした場合もというのだ。
「大事なのは何故達成出来なかった」
「そのことを検証することですね」
「そして次に活かすことだ」
「達成出来なかったことが悪ではないですね」
「少なくとも私はその時点では咎めない」
「よく調べてですね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「政治として考えています」
「そのミスが何であったか」
「それをな、そして今のエウロパはな」
「百進む範囲をですね」
「百二十進んでくれている」
「勤勉に働いてくれて」
「やはり勤勉は美徳だ」
 ギルフォードはこの言葉も出した。
「その働きが個人を豊かにするだけでなく」
「ひいては国家もですね」
「豊かにしてくれる」
「いいことばかりですね」
「勿論家庭を持っていればな」 
「家庭もですね」
「豊かにする」 
 そちらもというのだ。
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