第八十二話 阪神圧勝その五
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「ワンアウトが遠いわね」
「ここ十試合ずっと二桁得点打たれて負けてるしね」
「十試合連続って」
「そのうち四試合完封負けでね」
「それも凄いわね」
「打たなくてね」
それに加えてというのだ。
「打たれるんだよ」
「それでアウトも多いのね」
「相手チームのね」
「そして巨人のアウトは近いのね」
「仮に打ち取ったと思って」
達川は今のプレイを観て言った、観れば。
巨人のセカンドがトンネルした、それでまた得点が入った。
「こうだしね」
「エラーも多いのね」
「伊達に一シーズンエラー二〇〇いってないよ」
「一試合一つ以上出してるのね」
「エラーにならない守備のミスも多いから」
それでというのだ。
「余計にね」
「アウトが遠いのね」
「巨人の試合はね」
巨人が守っている時はだ。
「この通りね」
「打たれてエラーも多くて」
「それでだよ」
「攻めている方は楽しいけれどね」
それでもというのだ。
「けれどね」
「巨人としては嫌だね」
「そうなるわよね」
「それでこうした試合ばかりだしこのことからも」
「巨人人気ないのね」
「そうなんだ、いい試合もないから」
巨人ファンから観てだ。
「だからね」
「そこからも人気なくて」
「これからもどんどんね」
「そんな試合ばかりよね」
「正直親会社変わらないと」
さもないと、というのだ。
「どうしようもないよ」
「親会社って大事よね」
「横浜なんてそうじゃない」
このチームの話もだ、達川はした。
「あそこもね」
「前はね」
「親会社がね」
そこがというのだ。
「どうしようもなくて」
「ずっと大洋水産でね」
親会社がというのだ。
「それが代わって」
「そうしたらね」
「マスコミだったけれどね」
「もう酷くてね」
「やる気はないし」
球団としての戦略にだ。
「それに選手の人達への扱いも悪くて」
「最悪だったのよね」
「巨人の次にね」
「巨人があったから最下位じゃなかったけれど」
「逆に言うとね」
一華は微妙な顔で述べた。
「巨人がなかったらね」
「何度最下位になったかね」
「わからなかったわよね」
「そこまで酷かったよ」
かつての横浜はというのだ。
「本当にね」
「そうだったわね」
「だから横浜を見てもわかるよ」
「チームって親会社も大きいわね」
「碌でもない親会社だとね」
それこそというのだ。
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