第八十二話 阪神圧勝その三
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「そんなチームだからね」
「今や人気もないのね」
「十二球団ダントツ最低だよ」
「東京ドームでも一塁側でも巨人ファン少なくて」
「他チームのファンの人ばかりだよ」
「阪神ファンとかね」
最早阪神は日本で最も人気のあるチームになっている、それこそ極盛期の巨人をも上回る人気である。
「そうなってるわね」
「うん、まあこれがね」
達川はマウンドの青柳が三者連続三球三振に打ち取ったのを観つつ一華に話した。
「今の巨人だよ」
「そういうことね」
「何もいいところのない」
「最低のチームね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「もうね」
「そうよね」
「というか三振に打ち取られても悪態つくばかりで」
巨人の選手達を観るとそうだった。
「悔しいとか次こそはっていうね」
「気構えないわね」
「もうその時点でね」
それこそというのだ。
「駄目だよね」
「スポーツ選手として」
「昔は球界の紳士とか」
「言われてたのよね」
「自称してたんだよ」
この様な戯言をだ。
「昔から悪いことばかりしてたけれど」
「選手強引に獲得したり」
「別所さんとか強奪してね」
これを行ったのは当時の監督だった三原修である、これもまた三原マジックであったがこれが選手達から批判を浴び彼が巨人を去るきっかけにもなった。
「広岡さん長嶋さん王さん柴田さんも」
「元々は他のチームが獲得しようとして」
王は阪神だった、そして他の三選手は南海だった。
「横槍入れて」
「いつも強奪してたんだ」
「そうよね」
「いつもこんなことしていたんだよ」
昭和五十三年に起こった某事件だけではなかったのだ。
「フリーエージェントでもね」
「他チームから掠め取ってばかりで」
「それでフリーエージェントがね」
この制度がというのだ。
「結果として今の巨人を作ったんだよ」
「他チームの選手を掠め取ることばかり考える様になって」
「育成はなおざりになって」
それまではこちらにも力を入れていたのは事実だった、ドラフトと育成で真っ当なチーム育成を行っていたのだ。
「設備投資とかスタッフを揃えることも」
「忘れて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「今に至るんだよ」
「親会社にお金がなくなったら」
「もうその時は」
まさにというのだ。
「終わりだったしね」
「それで実際によね」
「終わったんだよ」
巨人というチームはというのだ。
「この通りね」
「オンボロチームになったのね」
「そういうことだよ、それで育成とかノウハウを忘れて」
そしてというのだ。
「学ぼうともしないし」
「忘れたら勉強するね」
「過去の栄光にしがみついてね」
そしてというのだ。
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