第一章
[2]次話
大人も寝る前はトイレ
消防署員の群馬淳二は家では寝る前に必ずトイレに行っている、それを見て妻の彩花はある日ふと尋ねた。
「あなた寝る前は絶対におトイレ行くわね」
「ああ、職場でも仮眠の前はそうしてるよ」
夫は太い眉に大きな目と小さな赤い唇に顎がすっきりとした顔で黒髪を短くセットした一五七位の背のすらりとした体系の彼女に話した、彼は面長の顔で頬が出ている、小さな目で眉は太く黒髪は短く色黒で百七十五位の背で痩せている。
「いつもね」
「そうしてるのね」
「寝ている間に目が覚めて」
そうしてというのだ。
「トイレに行くの嫌だから」
「それでなのね」
「寝る前は」
「絶対におトイレ行くのね」
「一旦寝たら」
そうしたらというのだ。
「もうね」
「ずっと寝たいのね」
「ぐっすりと。寝ている間に起きたら」
トイレに行きたくなってというのだ。
「一旦目が覚めてまた寝るのがね」
「ああ、それがね」
妻もそれはと応えた。
「結構ね」
「嫌だよね、それにね」
「それに?」
「子供の頃だけれど」
夫は妻に自分のその時のことも話した。
「ほら、その頃って」
「あっ、おねしょね」
妻も自分のことを思い出して言った。
「しちゃうわね」
「それもあったし」
「だからなのね」
「いつもね」
それこそというのだ。
「寝る前はだよ」
「おトイレに行ってるのね」
「そうなんだよ」
こう妻に言うのだった、これは結婚したてのお互いが若い頃のことだった。やがて二人の間に子供が出来てだった。
年齢を重ねていくとだ、彼はある日妻にぼやいて話した。
「最近夜の間にね」
「ああ、結構起きてるわね」
「それでおトイレ行ってるね」
「そうよね」
一緒の部屋に寝ているのでだ、妻も知っていて応えた。
「最近それが増えたわね」
「どうしてかな」
夫は妻に苦い顔で言った。
「最近ね」
「あれでしょ」
妻は夫のぼやきにすぐに答えた。
「歳を取って膀胱が固くなって」
「おしっこがあまり収まらなくなったんだ」
「あと身体も冷えやすくなって」
「それも歳で」
「それでね」
「おトイレ近いんだ」
「そうでしょ」
こう言うのだった。
「私だってそうだし」
「そういえばそうだね」
「歳を取るとね」
そうすればというのだ。
「もうね」
「誰でもなんだ」
「普通にね」
それこそというのだ。
「おトイレが近くなるのよ」
「折角寝ている間に行きたくなくて」
「寝る前におトイレしていても」
「そうなるなんて」
それはというのだった。
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