第一章
[2]次話
ブルジョワのカップ麺
アメリカで世界的に有名なIT企業を経営しているハリソン=オコーナーの資産額はちょっとした国の国家予算並にある、くすんだ金髪を右で分け眼鏡かかけた穏やかな顔立ちの中肉中背の人物である。父の跡を継いで二代目である。
その彼は世界中の料理を食べているが。
自宅でシェフが作ったラーメンを箸を上手に使って食べてそのシェフに言った。
「美味しいね、中国の麺類もいいけれど」
「このラーメンもですね」
「いいね、日本のこの料理もね」
「はい、実はです」
アフリカ系の大男のシェフグレッグ=ブラウンはオコーナーに話した。
「ラーメンは日本では中華料理になっていますが」
「中国のだね」
「中国人に聞くとです」
他ならぬ彼等にというのだ。
「こうした麺はないので」
「日本に中国の麺が入って」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「独自に進化した」
「そうしたものだね」
「今私が作ったのは醤油ラーメンですが」
その色の油が浮かんでいるスープに縮れた麺そしてその上にメンマとチャーシュー、刻んだ葱にもやしがある。
「他にも味噌や豚骨のものもです」
「あるんだね」
「はい、そして」
ブラウンはさらに話した。
「インスタントラーメンもあります」
「インスタント?」
「そうです、日本から世界に出た」
そうしたというのだ。
「お湯を入れての」
「そうしてなんだ」
「作るもので」
「そんなものもあるんだね」
「左様です」
「どんなのかな」
オコーナーは首を傾げさせつつ言った。
「それで」
「何でしたら」
ブラウンはそのオコーナーに提案した。
「一度召し上がられてみますか」
「そのインスタントラーメンをだね」
「はい、実に手軽に食べられるので」
ブラウンは笑って話した。
「今や世界的に普及しています」
「そうですか」
「はい、そして」
ブラウンはさらに話した。
「私達もです」
「食べているんだ」
「アメリカにも入っているので」
「そういえば食品メーカーで売ってるもので」
オコーナーは自分のビジネスの話から考えた、世界的な企業の経営者なのでこうした話や国際情勢は何かと詳しいのだ。
「何かあったかな」
「はい、結構ありまして」
「アメリカでもだね」
「売られています」
「そうなんだね」
「ただ本場はです」
インスタントラーメンのそれはというのだ。
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