接触
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れそれ以上の言葉が出なくなる。
「ッ・・・」
「ミネルバ様?」
「どうしたんだゾ?」
その不思議な感覚に襲われたのは彼だけではない。三人の離れたところを歩いていたミネルバも、そして彼の隣にいた二人の竜もその人物の方に視線を向け、固まっていた。
その様子を見た仮面の男は何か言いたげな様子だったが、隣にいた人物に肘で横っ腹を突かれ、渋々といった様子で歩き出し、姿が見えなくなった。
「なんだ・・・今の感じ・・・」
「身体が動かなかった・・・」
「何者なんだ?あいつ・・・」
姿が見えなくなり、三人はようやく言葉を発することができた。その額からは汗が溢れ出ており、何か強烈な違和感に襲われていたことは容易に想像できた。
「ミネルバ様、大丈夫ですか?」
「あぁ・・・落ち着いた」
ただ、その三人よりも明らかに動揺していたのはこの女性。彼女は息も上がっており顔色も悪い。横で支えているユキノとソラノも、その理由が全くわからず首をかしげていた。
「なぜここに・・・」
そう呟いたミネルバはすでに姿の見えなくなっている大柄の男が歩いていった方向へと視線を向ける。その目は憎悪と恐怖が混ざり合ったようなものになっていた。
「いやぁ、初めて来たけどこりゃあいいねぇ」
そう言ったのは妖精の尻尾最強候補と言われているギルダーツ。彼は街の至るところから見た目麗しい女性たちに声をかけられ上機嫌で手を振り返していた。
「親父・・・そろそろ宿に戻った方がいいんじゃないの?」
その隣にいたカナは鼻の下を伸ばしている実の父親にタメ息混じりにそう言った。愛する娘にそんなことを言われたギルダーツだったが、彼は彼女の肩に手を回しその身体を引き寄せながらこう続ける。
「えぇ!!せっかく可愛い娘と一緒に飲めるんだからもう少しいいじゃん!!」
「くっつくな!!鬱陶しい!!」
すでに何軒も酒屋を回っている二人だが、まだまだ酔い潰れる気配もない。カナに至ってはその手にいつものような酒瓶を握り締めており、まだまだクロッカスの街を散策する気はあるようだ。
「ずいぶん楽しそうで・・・さすが最強ギルドだねぇ」
盛り上がっていた二人・・・厳密にはギルダーツだったが、それを茶化すような声が後ろから割って入ってきたことで彼の表情は一変、厳しいものへと代わりその声の主へと視線を向ける。
「誰だ?お前」
その声の主は見たところ男。彼は仮面を付け素顔を隠しているが、それにはギルドマークと思われるものが刻み込まれていた。
「明日から大魔闘演武だっていうのに、余裕で羨ましいと思ってね」
「あんなのただの祭りだろ?そんなに入れ
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