接触
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シリルside
「おおっ!!」
「やっぱりデケェなここは」
三ヶ月間の修行を終えた俺たちは大魔闘演武が行われるフィオーレ王国の首都・クロッカスへとやってきていた。今回は最後まで何事もなく修行を全うすることができたおかげで身体の調子もいいし、何より安心感が違う。
「おい、見ろよあれ」
「すごい!!妖精の尻尾だ!!」
街に入ると至るところから見られているのがわかる。ただ、それは決して悪い意味のものではない。むしろその逆、有名人を見る時のような尊敬の眼差しでみんな俺たちの方を見ていた。
「シリルちゃん!!」
「ウェンディちゃん!!」
まさかのちゃん付けに顔をひきつらせながら、呼ばれる声よ方へと俺とウェンディは顔を向ける。そこには俺たちと同い年か少し年下くらいの子たちが手を振っており、俺たちもそれに応えるように手を振り返した。
「すごい熱気だね」
「本当。街中がこの日を待ち望んでいたみたいだよね」
俺たちだけではない、エルザさんやナツさんたちも色んな人に声をかけられ、この度に声援を受け取る。アルバレスとの戦いでフィオーレも相当なダメージを受けていたところからの復興ということもあり、みんなこの大会を楽しみにしていたのだろう。
「ウェンディ!!」
そんな中聞き覚えのある声がして振り返る。そこにはこちらに駆け寄ってくるシェリアの姿があった。
「シェリア!!」
「久しぶり!!」
「うん!!久しぶりだね!!」
少し大人びたようにも見える彼女は変わらない笑顔でそう答える。その後ろからは相変わらずのゆっくりとした足取りでこちらへと近付いてくる男がいた。
「背、伸びたか?シリル」
「あ・・・あんまり・・・」
身長差が開いたからか俺の頭へと手を乗せて挑発するような態度を取るレオン。それに苛立ちを覚え振り払うと、彼はイヤらしい笑みを浮かべてみせた。
「大会で戦えるといいな」
「絶対に負けないよ」
「それはこっちの台詞だ」
互いにニヤリと笑みを浮かべた後、俺たちはそのまま近況報告へと入った。ウェンディとシェリアも話したかったことがたくさんあったようで、楽しげに談笑していた。
「ひっさしっぷりー!!」
「うにゃあああああ!?」
思い出話に花を咲かせていると、後ろから胸をガッチリと掴まれ悲鳴を上げる。そのままその手を振り払い、後方の人物へと肘打ちを放つが、銀色の髪をした少女はそれを仰け反るように回避すると、そのまま飛び付き直してきてお尻を鷲掴みにしてくる。
「うーん、ちょっとモッチリしたね、シリル」
「なっ・・・太ってねぇよ!!」
今まで着ていた服も着れているし体重も増えていない。それなのに彼女は普段よりも気持ちよさげに身体をまさ
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