暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第157話:閉じた世界を抜けて
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「そうかッ! ソナーの要領で、私達の位置と空間内の形状を把握できればッ!」
「おぉぉぉッ!」

 奏達は戦いながら歌い続ける。その唄声がスピーカーからも放たれ、空間内に幾つもの反響音を響かせる。

 その一つ一つにクリスは慎重に耳を傾けた。

――……違う、中心はこっちじゃない。この聴こえ方であたしらの歌が重なる場所は……――

 慎重に……慎重に……響く歌声に耳を傾け、それが反射した場所に何があるのかを読み取っていく。生まれ持った才能を駆使し、必死に聞き耳を立てる。
 その結果、遂にクリスは探し物を見つける事に成功した。

「……そこだッ!」
[MEGA DETH PARTY]

 特定した中心地点に向け、クリスが小型ミサイルを一斉に発射する。大まかな狙いをつけて発射された小型ミサイルは、中心地点付近で炸裂しそこに隠れていた大型のアルカノイズの姿を浮かび上がらせた。

「見えたッ! でっかいのが居るッ!」
「あれが、この空間を作り出しているアルカノイズッ!」
『それですッ! それを破壊してくださいッ!』

 そうと決まれば話は早い。装者達は目的のアルカノイズ撃破の為、一気に勝負に出る事にした。

「立花、乗れッ!」
「はいッ!」

 翼が構えた刀の峰に響を乗らせた。すると刀が大きく変形し、ちょっとした戦闘機ほどの大きさの大剣となる。さらにそこにクリスの大型ミサイルも合体し、カタパルト上の飛翔体を形成した。
 それはイグナイトを起動させた3人の合体技。飛翔した大剣から響を射出し、さらには飛翔体その物も敵に突撃する二段構えの大技であった。

[TRINITY RESONANCE]
「勝機一瞬ッ! この一撃に全てを懸けろッ!」
「なら、アタシがその為の道を切り開いてやるッ!」
〈キャモナ! スラッシュ、シェイクハンズ! フレイム! スラッシュストライク! ヒーヒーヒー!〉

 ウィザードギアとなった奏のアームドギアには開閉式のハンドオーサーが取り付けられている。それを開いて左手を重ねれば、奏のアームドギアからもスラッシュストライクが発動できた。
 奏が炎の斬撃を飛ばせば、大型アルカノイズまでの間に存在するアルカノイズは軒並み消滅し、響達の攻撃を阻害する者は居なくなる。その瞬間飛び立った大剣から、響が射出され勢いを乗せた跳び蹴りを放ち穿つ。そして更にダメ押しとばかりに残った大剣が突き刺さり、大型アルカノイズは完全に撃破された。

 大型アルカノイズが撃破された事で亜空間は消え去り、元の街並みが奏達の前に広がった。

 その事に安堵の表情を浮かべる奏達。だが次の瞬間、奏の目にはとんでもないものが飛び込んできた。

「――――え?」

 そこに居たのは、倒れ伏した颯人と彼に手を
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