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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第157話:閉じた世界を抜けて
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おっさんッ! どうなってやがるッ!」
『そこはアルカノイズが作り出した、亜空間の檻の中とみて間違いないッ!』
「亜空間の檻……ですか?」

 今一ピンとこない様子の翼だったが、そこはエルフナインが即座に補足してくれた。

『そこでは、アルカノイズの位相差障壁がフラクタルに変化し、インパクトによる調律が阻害されています』
『ギアの出力が下がった様に思えるのはその為ですッ!』

 途中エルフナインの説明が専門用語込みだったので少し分かり辛かったが、兎に角こちらの攻撃が効き辛くなるほど敵が固くなっているのだと言う事だけは理解できた。
 そうであれば対処は簡単だ。要はこちらも攻撃力を上げてやればいいだけの話である。

「だったら。ドカンとパワーを底上げてぶち抜けばッ!」
「呪いの剣……抜きどころだッ!」
「力を借りるぜ、颯人!」

 響・翼・クリスの3人はイグナイトモジュールを、奏は魔力を用いてウィザードギアを使用して火力の底上げを図った。
 一瞬透がこの場に居てくれたら、制限時間ありきのイグナイトやウィザードギアに頼らなくてもいいのにと思わなくはない奏だったが、諸事情から透がクリスと行動を分けているので仕方がない。無い物ねだりをして彼女の機嫌を損ねる訳にもいかないので、思い付きに関しては黙ってギアの形状を変化させた。

「「「イグナイトモジュール、抜剣ッ!」」」
【【【DAINSLEIF】】】
「ショータイムだ!」
〈プリーズ〉

 黒く変色したギアを纏った3人と、魔法の力を得た奏のギアが暴れ回る。決戦機能の底力で爆上げした攻撃力は、守備を固めたアルカノイズであっても一溜りも無く塵と砕けた。

「はぁぁぁぁッ!」

 翼の振るう刃が次々とアルカノイズを膾切りにしていく。それに合わせるように奏は魔法の炎を纏った槍を振るった。

「おらぁぁぁぁぁッ!」

 フォニックゲインと魔力、二つの力を合わせた一撃は効果的だったのかこちらもアルカノイズを容易く粉砕した。

 これなら守りを抉じ開けて攻撃を届かせることが出来る。
 のだが、問題は完全に解決してはいなかった。

 それは、兎に角相手の数が多すぎる事だった。

「こいつらに限りはあんのかッ!?」

 そうクリスが叫んだ通り、アルカノイズは次から次へと際限なく現れる。これではキリがない。しかも問題なのはただ敵が多いと言うだけではなく、今の彼女達の状態を維持するには制限時間があると言う事。この制限時間を超えてしまったら、イグナイトもウィザードギアも解除されてしまう。そうなれば待っているのは無数のアルカノイズによる嬲り殺しだ。




 装者達の状況が芳しくない事は本部の方にも伝わっている。だが待機組に出来る事は無いに等しい。何しろ彼
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