暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第157話:閉じた世界を抜けて
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のは装者のみ。魔法使いである颯人達の姿は見当たらない。
 その事に安堵する様に小さく息を吐くサンジェルマンの左手には、金属製のカプセルが握られていた。カプセルにはスロットマシンのリールの様なダイヤル式の鍵が掛けられており、サンジェルマンが錬金術を使うと象形文字の描かれたダイヤルが動いてカプセルの鍵が開いた。

 カプセルが開くと中にはアルカノイズの召喚結晶が3つ入っており、その中の一つをサンジェルマンは取り出し投擲する。

「試作に終わった、機能特化型の使い時……。その力、見せてもらいましょう」

 結晶が装者達の直ぐ近くに落下すると、そこを起点に光が広がり空中に星空が広がった。

「あれは、アルカノイズか?」
「新手のお出ましみたいだなッ!」

 確かにアルカノイズは出てきた。だがそれ以上に奏達の目を引いたのはその景色である。

 つい先程まで街中に居た筈なのに、今彼女達の周囲に見えるのは岩肌剥き出しの大地と怪しい光を放つ結晶、そして空に広がる星空と大きな惑星の姿だった。

「さっきまで街中だったのにッ!」
「んな事言ってる場合じゃなさそうだぞ」

 広がる景色に目を奪われてしまいそうになるが、周囲を見ればこちらに近付いてくる無数のアルカノイズの姿が見える。
 何がどうしてこんな事になっているのかは分からないが、今確実に言えるのはこのアルカノイズ達を何とかして倒さなければならないと言う事。コイツ等を始末しなければ、周囲の調査も何も出来ない。

 疑問はさておき、奏達はアルカノイズを始末しようと戦闘を再開した。ところが早々に彼女達は大きな問題にぶち当たる。
 アルカノイズが倒せないのだ。

「馬鹿なッ!」
「攻撃がッ!」
「全部通らねえのかッ!?」
「クソッタレッ!」

 斬っても撃ってもアルカノイズ達は塵にならず、元通りの姿へと再生を果たした。その様子は嘗てウェル博士が使用したAnti LiNKERの効果を受けた時と酷似している。





 それは本部に居る朔也達も思った。奏達が周囲を星空に囲まれた時、本部からは彼女達の姿が見えなくなったがギアに内蔵されている集音機から音や声を聞いて何が起きているのかは理解できていた。

「まさかAnti LiNKER? でも、一体誰が――」
「いえ、各奏者の適合係数に低減は見られませんッ!」

 しかしその可能性は即座に否定された。Anti LiNKERが使用されたのであれば、装者達はギアからのバックファイヤーで苦しむ事になる。それが無いと言う事は、装者達が弱くなったのではなく敵が強くなったと言う事に他ならない。

「つまり、こちらの攻撃力を下げる事無く、守りを固めているのだな?」




『4人共、聞こえるかッ!?』

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