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星河の覇皇
第八十四部第二章 交渉の用意その六

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「むしろそうした位でないと私は首相にしなかった」
「そうですか」
「資質とだ」
「意気があるからですか」
「私は卿を首相にした」
 こうカミュ自身に言うのだった。
「その様にした」
「左様ですか」
「そうだ、だが実際にだ」
「真の政治家はですね」
「広く先を見渡すものでだ」
 そうしたことが出来る人物でというのだ。
「この場合は復興で終わりならだ」
「その程度となりますね」
「そうだ、復興は当然のことだ」
「具体的な政策を出すことも」
「それを実行させて成功させることもな」
 こちらもというのだ。
「当然だ、ここまで出来てまだだ」
「政治家ではないですね」
「真のな、その先がないとな」
「発展ですね」
「復興なぞその前の話だ」
 それに過ぎない、ギルフォードは言い切った。
「出来てだ」
「それで当然のことで」
「そこからだ」
「どうするかですね」
「連合をどう凌駕するか」
「それが遥か先にことであっても」
「そのことを念頭に置くことだ」 
 敵であるこの国をというのだ。
「あの国は巨大だ」
「言うならば巨獣ですね」
「こちらを騎士とすればリバイアサンだ」
 聖書に出て来る海に棲む巨大な竜だというのだ、この竜は時代によっては悪魔にもされてきた歴史がある。
「大きさが全く違う」
「そのリバイアサンに対するには」
「復興では何も出来ない」
「発展ですね」
「それもないとだ」
 まさにというのだ。
「駄目だ、だからだ」
「真の政治家であるならば」
「発展まで言う、そして私はだ」
「その発展を出してですね」
「エウロパの有権者達は私を総統に選んだ」
 ギルフォードは笑みを浮かべて語った。
「それは何故か」
「エウロパの有権者が優秀だからですね」
「そうだ、これは階級に関係ない」
「貴族も平民も」
「どちらの階級の者達も私を総統に選んだ」
「してやられました」
 この時選挙に出ていたカミュは笑って話した。
「まさかです」
「私が出てだな」
「あそこまでの政策を出され」
「そしてだな」
「演説もお見事で」
「カリスマもだな」
「そうです、あの時の閣下は」
 ここで今もとは言わないのがカミュだ、彼は次の総統選挙でも立候補するつもりでそれならば勝つつもりだからだ。
「ですから」
「卿は敗れた」
「はい」
「そしてモンサルヴァート軍務相もな」
「そうですね、そしてですね」
「エウロパの国民はな」
 自分を総統に選んだ彼等はというのだ。
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