仮初めの凱旋
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<アリアハン>
「勇者アルル、只今戻りました…」
暗い表情で凱旋したアルル達はそのまま城へ赴き、アリアハン王へとこれまでの経過を報告する。
それは世界を平和にしたという華々しい事ではなく、闇の世界と言われる別の地に、バラモスを超える敵が居り、その存在が世界に混沌を撒いていると言う…
アルル一行はリュカの言に従い、ラミアを使って世界中を確認して回った。
リュカの懸念通り世界に平和は訪れてはおらず、凶暴なモンスターは今尚蔓延っている…
そして世界を見回る途中に、小高い岩山に囲まれた前人未踏の地を発見したアルル達は、その地の中央に城がある事をも発見し、訪れてみた。
するとそこは神の使いとされる『竜の女王』が住む城であり、衰弱した女王は次の世代の為に、自らの命をかけて卵を産もうとしていたのだ。
そして竜の女王は、生まれ来る子のために世界の平和を勇者アルルに託し、大魔王を倒すために必要とされる『光の玉』を渡す。
さらに女王は闇の世界『アレフガルド』の事も教えてくれた…
そこに君臨する『大魔王ゾーマ』の事も…
「な、なるほど…魔王バラモスの上に大魔王ゾーマが………して、そのゾーマが居るというアレフガルドへは、どの様に行くのか分かっておるのか?」
リュカと一部を除くアルル一行は、アリアハン王の前で恭しく頭を垂れている。
そんな彼女等の報告を聞いた国王は、心配げに今後の事を確認した。
「はい…ネクロゴンドにある『ギアガの大穴』より、闇の世界『アレフガルド』へ行けると竜の女王様は仰っておられました。更には、我が父オルテガも…その穴に落ちたという事です」
そう…火山に落ちて死亡したとされる勇者オルテガは、偶然にもバラモスを倒すより先に、アレフガルドへと落ち、そこで生きて…そして大魔王ゾーマを倒すべく孤軍奮闘しているかもしれないのだ。
「アリアハン王よ…祝賀パーティーは一時延期だのぉ!」
すると奥から、アリアハン王とアルル達の会話に割り込んでくる者が現れた。
「ロ、ロマリア国王陛下!?」
何と驚いた事に、奥の部屋からロマリア王が姿を現したのだ!
それだけではない…ポルトガ王にイシスの女王・サマンオサ王も一緒に姿を現した!
「こ、これは…陛下、一体…」
「驚いちゃったアルル?私達ね、もうすぐアルル達がバラモスを倒して凱旋してくると思ったから、みんなでお祝いしてあげようと、数日前からアリアハンに来ていたのよ」
イシスの女王レイチェルが赤ん坊をあやしながら説明する。
「あぁ…だからか!」
「な、何が『だから』なんですかリュカさん!?」
不意に声を上げたリュカに、過敏に反応するアルル。
「いや…僕はアリアハンの王様に会うのは初めてなのに、頭を下げなくても誰も怒らなかったから…変だなぁ〜とは思ってたんだよ。レ
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