仮初めの凱旋
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イツ!こうやって恐怖心を植え付けて、精神的に優位に立とうとしてるだけよ!」
マリーも父を援護すべく、なるたけ明るい声でゾーマの行いを否定する。
「そ、そうじゃよ!リュカ殿や勇者アルル殿が居るのだ…必ずやバラモスと同様に倒してくれようぞ!」
リュカに助けられたサマンオサ王が、声を張り上げて彼等を支持すると…
「そうよ。リュカは英雄なのよ!我が国でも…異世界でも…そしてこの世界の各所でも!絶望なんてしてられませんわ!直ぐに世界を平和にしてくれるのだから。私達は、自国の平和維持に尽力しましょう!」
気付くとレイチェルの言葉に、周囲の者達は歓声を上げていた。
勇者アルル…英雄リュカ…2人が居れば世界は救われる!
そう声を上げて自身を鼓舞しているのだ。
リュカは『英雄』と言う単語に、嫌な顔をしていたが………
「うん。世界はまだ平和になってないし、祝賀会はまた今度と言う事で…今日は一旦家に帰り、一休みをしようよ。アレフガルドへ行くのは、後日にしてさ!」
周りが異様に大騒ぎする中、リュカはアルルの肩に手を乗せて優しく家族の元への帰省を促す。
それに気付いたアルルは、瞳に力強い光を灯し、黙って頷くのだった。
「リュカよ、ちょっと待ちなさい!」
英雄扱いされるのを嫌がり、ともかくその場を離れようとするリュカ等を、ロマリア王が呼び止める。
「あ゛?あんだよ…もう帰らせろよ!」
眉間に深いシワを寄せ、心の底から嫌そうな声を出すリュカ。
今更ながら相手が王様でもお構いなしだ!
「そ、そう嫌そうな顔をするなよ…」
「『嫌そう』じゃなく、嫌なんだよ!どうせ面倒事だろ、僕を呼び付ける時は、大抵そうなんだ!………で、何?」
「ま、まぁ…面倒事ではあるのだが…先日、お前が近衛騎士隊を打ちのめしてくれた所為で、綱紀粛正を行う事が出来たんじゃ!本来は、副隊長だったラングストンに、時間をかけて行わせる予定だったのだが、思いの外早く終わったので、我が国からも達人を派遣しようと思うてな」
ロマリア王はそう言うと、ラングストンを押し出した。
「ほれ…我が国の近衛騎士副隊長を派遣するぞ!この男はお前程ではないが、かなりの達人じゃ!有望な戦力になるはず…」
リュカはビシッと敬礼するラングストンに目をやり、これ以上無いくらいの顰めっ面で言い放つ。
「やっぱ面倒事じゃん!部下を一新出来たから、扱いづらいコイツを追い出したくなったんだろ?それを僕等に押し付けるんだろ!…それともアレか!綱紀粛正が早く終わってしまって、楽しみを奪われた腹いせか!?」
「流石リュカ殿は聡明ですね!正にその通りでございます。ではでは、これからよろしくお願いします…って事で!」
相変わらずリュカの嫌味を一切気にせず、半ば強引にパーティーへと加わるラングストン。
戦力として
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