仮初めの凱旋
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イチェル達が言っておいたんだね?」
「そうじゃよ。お前相手に目くじらを立てると、時間と体力の無駄だと忠告しておいたのだ!わっはっはっはっ!」
ポルトガ王が、楽しそうに笑いリュカと視線を交わす。
「リュカ殿は、人柄はアレですが無駄に強いので、下手に刺激すると我が近衛騎士隊と同じ運命になりますって説明したら、アリアハン国王陛下以外の融通の利かなそうな側近さん達も分かってくれました!」
他国のお偉いさんが集まる場で、無駄にトゲがある言い方をするのはラングストン。
「そう言うワケでな…リュカ殿達の偉業を、皆で祝おうと思っておったのだが…世界の平和はまだ先の様じゃの」
サマンオサ王が寂しそうに呟いた次の瞬間…
(ゴゴゴゴゴ…ドカーン!!)
室内に雷鳴が轟き、謁見の間に居合わせたアリアハン兵数名が、一瞬で消し炭と化し命を落とした!
「な、何事!?」
アルル達は慌てて周囲を見回すが、再度雷鳴が轟き始める!
「ふん!」
その瞬間、リュカが驚く様なスピードで、各国の王を抱き抱えアルル達の元へと戻ってきた。
そして鳴り始めてた雷鳴は、先程までアリアハン王が座っていた玉座を中心に落っこちた!
玉座は塵と消え、周囲にも広範囲で焼け跡を残す恐ろしい威力を見せつける。
「い、一体…!?」
〈わははははは!喜びの一時に驚かせた様だな。我が名はゾーマ。闇の世界を支配する者。このワシが居る限り、やがてこの世界も闇に閉ざされるだろう。さあ、苦しみ悩むが良い!そなたらの苦しみは、ワシの喜び。命ある者全てを我が生贄とし、絶望で世界を覆い尽くしてやろう!…我が名はゾーマ。全てを滅ぼす者。そなたらが我が生贄となる日を楽しみにしておるぞ!わははははははは………〉
何処からともなく聞こえてくる、絶望を携えた低い声…
「い、今のが大魔王ゾーマ………?」
アルルが恐怖を帯びた声で呟いた…
「「「「「……………」」」」」
各国王も、恐怖と絶望から声が出ない…
「アイツ…あんまり強そうじゃ無かったね!」
しかしリュカだけが、緊張感の欠落した声でゾーマの事をバカにする。
「何言ってるんですか!この場に居ないのに、強力な落雷を発生させ、兵士数名を消し去ったじゃないですか!!」
リュカの言葉にアルルは抗議する…それが己の恐怖心を増大させる事だと分からずに。
「でも…不意打ちだったじゃん。(笑)…しかも2発目は空振りだし!その事に気付いて無い様子だったよ!…きっと1発目も当てずっぽうだったんだよ!(大笑)」
恐怖で静まりかえる室内に、リュカの笑い声が響き渡る。
「そ、そうですよ!お父さんの言う通りですよ!もし大魔王ゾーマが、そんなに凄いヤツならば、真っ先に勇者アルルを狙うはずです!でも結果はモブが数名お亡くなりになっただけ…きっと大したこと無いのよア
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