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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
自由惑星同盟の最も長い3カ月
796年5月の最高評議会安全保障小委員会緊急会合
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イマリーバランスは極めて深刻な状態です。特にイゼルローン要塞建設後から流通の一極化による税収減、軍事的な消耗の増大は……」

「……国防委員会より報告します。財政上の負担に対する対応が必要である点については疑いはありませんが、国防産業は国家需要に基づいており過度の縮小による技術の喪失の可能性が‥‥」

「人的資源委員長よりいくつかご報告をさせていただきます。
お手元の資料3をご覧ください。動員の問題は星間航行を担う技能労働者の欠如にあります。我らは星間国家であり、その定義を保証するのは星間流通です。然るにそれこそが自由惑星同盟の社会の基幹人材であるのと同時に同盟軍の最も激しい損害を被る兵科であります。バーラトの課題について参考となるのはアスターテです。彼らは必然的に宇宙軍への動員が数多くあります、それ故に彼らの少子高齢化の加速が進んでおります」

「人的資源委員会の勧告に対して補足します。駐留艦隊など特殊な環境に依存した経済となっている構成邦は少なくありません。またイゼルローン要塞に過剰に依存したロジスティックスへの変更のリスクを評価する必要があります。また、大半の戦死者は全て侵略への防戦によるものであり、イゼルローン要塞の確保だけでも、この問題の解決に寄与する点も強調させていただきます」
 トリューニヒトが即座に対応する。

 こうして参集された最高評議員の発言に対してトリューニヒトが反論を行うという光景が繰り広げられた。それほどの軍需が拡大しているということである。また一方で第2・4・6・11艦隊など傷ついた星間戦力の再建が必要なのも事実だ(もっとも2・4・6は13艦隊に実質統合再編されたのだが軍官僚は常に”長期的に回復するべきもの”を留保することに余念はないものだ)



 国家安全保障小委員会の終了後、直近の対応について最高議長は軍令の長と軍政の長を呼び、執務室で会談を行った。

「君たちは一転、嫌われ者の立場になるわけだ」
とサンフォードは珍しく少しばかり皮肉を込めて二人を見る。
「喜べばいいのか、迷っているのかね」

 トリューニヒトはそれに肩をすくめて答える。
「軍の功績は功績です。然るべき予算措置についてはいずれの行政委員会も財務と戦わねばなりません。そしてこれからは上院と下院も味方につけるには説得力のある政策が必要になります、だがそれは民主主義でありましょう」

「適切な戦力整備と軍の方針を示すことに全力を尽くします」」

「いずれにせよ国防委員会がどこかの段階で主導する必要があります」
 トリューニヒトとシトレは鋭く視線を交わす。

 サンフォードは溜息を吐く。いずれにせよ外圧が緩めば内の綻びが顕著になるのは変わらない。
「ひとまずシトレ本部長の再選については功績をもって本人
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