第四幕その六
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「中国の広東の方でこうした煮物があって」
「それがですか」
「日本に入ってですか」
「それで広東が関東になって」
「だから関東煮ですか」
「そうなんですか」
「そうした説もあるらしいね」
関東煮にはというのです。
「どうやら」
「何か色々な説があるんですね」
ナターシャは思いました、目の前のお皿にはちくわとゆで卵にはんぺんそして揚げがあります。
「そうなんですね」
「そうじゃな、あとじゃ」
リンキティンク王は笑顔で言いました。
「わしはこの関東煮で大好きなものがある」
「といいますと」
「ころじゃ」
「ころですか」
「これじゃ」
黄色くて脂身が多い煮られた食べものを出して言ってきました。
「鯨の肉じゃ」
「鯨なんですか」
「うむ、これがころと言ってな」
そうしてというのです。
「実に美味い」
「鯨も美味しいんですね」
「これがのう」
「そうなんですね」
「日本人は鯨も食するが」
「そうした部分も食べていて」
「今こうしてじゃ」
ころをお箸に取って言います。
「関東煮にも入れてな」
「食べられるんですね」
「オズの国でもな」
「鯨を食べるなんて」
王子は笑って言いました。
「これはかなり」
「思わなかったのう」
「そうでしたね」
「鯨はな」
「そして食べるとです」
「これがじゃ」
実にというのです。
「美味いのう」
「全くですね」
「こうして関東煮に入れても美味いしな」
そのころをというのです、王子に三角に切った蒟蒻を食べつつ応えます。
「お鍋にしてもよい」
「はりはり鍋ですね」
「あれも美味いわ」
「全くですね」
「それで明日はな」
リンキティンク王はごぼ天も食べて言いました。
「今思ったのじゃが」
「そのはりはり鍋をですか」
「食うか」
こう言うのでした。
「そうするか」
「いいですね」
王子も笑顔で応えます。
「それでは」
「うむ、決まりじゃな」
「明日はですね」
「まだ昼か夜かわからんが」
それでもというのです。
「はりはり鍋をじゃ」
「食べような」
「そうしましょう」
こうお話してでした。
今は関東煮を食べてです、日本酒も飲んで言いました。
「ううむ、こうして関東煮を食べてな」
「日本酒も飲むとだね」
「最高じゃ」
カエルマンに満面の笑顔で応えます。
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