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X ーthe another storyー
第二十一話 哀愛その十五

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「その二つの感情ね」
「今僕の中にあるのは」
「はじめて行くから」
 それゆえにというのだ。
「どうした場所かと期待してまたはじめて行くから」
「不安ですか」
「その二つの感情がよ」
「今僕の中にあるんですね」
「それでざわざわと言ったけれど」
「そうなっているんですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「今の貴方はね」
「そうですか」
「感情、それがね」
 ??を見てさらに言った。
「貴方は生まれて定着してきているのね」
「そうなんですね」
「そのことが嬉しいわね」
「どうしてかわからないですが」
 ??は颯姫に微笑んで答えた。
「自然にです」
「そう思えるのね」
「感情が出て来て定着するということに」
「そうなのね。いいものなのね」
 颯姫は観察する様な目で述べた。
「そうなのね」
「ぼくにとっては」
「覚えておくわ」
 これが颯姫の今の返事だった。
「貴方の気持ちだって」
「そうですか」
「私にはわからないけれど。ただ色々なものがあって」
 今度は秋葉原自体について話した。
「楽しいかって言われると」
「そうした場所ですか」
「貴方が遊んでいるゲームのソフトも沢山あって」
 それでというのだ。
「そうよ」
「それじゃあ今から」
「行きましょう」
「はい、秋葉原に」
 こうした話もしてだった。
 二人は地下鉄で秋葉原に向かった、そのうえで着くと颯姫はすぐに自分が買いたいものを行きつけの店に行って予約しておいたそれを買ってだった。
 ??を秋葉原の中でも特に有名な本屋やゲームショップに案内した、彼はそこで様々なものを買ったが。
 その後の地下鉄の中でだ、彼は颯姫に買った漫画やライトノベル、ソフトが入った紙袋を手に笑顔で言った。
「嬉しいです」
「顔に出ているわ」
 颯姫は彼の顔を見て答えた。
「確かにね」
「そうなんですね」
「それだけ欲しいものが買えたから」
「そうですね、またです」
 ??は颯姫に顔を向けてさらに話した。
「あそこに行きたいです」
「じゃあ行けばいいわ」
「最寄りの駅がわかったので」
「そうすればいいわ、あそこに行って楽しいなら」
 そう思うならというのだ。
「行ってはいけない決まりなんてないし」
「だからですね」
「休日にでもね」
 学校のないというのだ。
「そうした日にね」
「行けばいいですね」
「そうよ」
 こう言うのだった。
「好きなだけね」
「ならそうします」
「そして」
 颯姫はさらに言った。
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