第二十一話 哀愛その十四
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「人間が築いたものもね」
「全て壊すんですね」
「そうするわ」
こう話した。
「全てね」
「そうなりますね」
「山の手線もそうで」
そしてというのだ。
「私達が今乗っているね」
「地下鉄もですね」
「壊すわ」
まさにというのだ。
「そうするわ」
「そうなりますね」
「ええ、ただ貴方は親しみを持っているけれど」
「颯姫さんは違いますか」
「何も思わないわ」
そうだというのだ。
「好きでも嫌いでもない、何も思うことはね」
「ないですか」
「この街の全て、人間も」
「何もかもに」
「思うことはね」
それこそというのだ。
「ないわ。だから滅ぼすことも」
「何とも思わないで」
「進めていくわ」
「そうですか」
「感情はいらないわ」
無表情での言葉だった、??は颯姫のそうした表情を見て何処かガラスを連想したがそれは言わなかった。そのまま彼女の話を聞いた。
「私にはね」
「僕は最近出て来たと言われますが」
「それが嬉しいわね」
「どうも」
「そうなのね。けれど私はね」
颯姫はそれでもと話した。
「感情はね」
「いらないですか」
「ええ」
??にその表情のまま答えた。
「そうよ、不要だとね」
「思われていますか」
「この世にあるものは全て」
「どうなのでしょうか」
「ただそこにあって生きている」
「それだけですか」
「そうしたものであってね」
それでというのだ。
「何でもないわ」
「そんなものですか」
「だからね」
颯姫はさらに話した。
「貴方が感情を持つのは構わないけれど」
「颯姫さんは」
「それを私が影響を受けることはね」
「ないですか」
「それについて何も思わないから」
それ故にというのだ。
「ないわ」
「そうなんですね」
「ええ、それでだけれど」
颯姫はさらに言った。
「これから秋葉原に行くけれど」
「そちらにですね」
「色々な建物があって」
そしてというのだ。
「人も多くて雰囲気もね」
「独特ですね」
「だから迷うこともあるから」
「実は僕はじめてです」
秋葉原に行くことはとだ、??は答えた。
「お話は聞いていましたが」
「行くのはなのね」
「はじめてで」
それでというのだ。
「心がざわざわしています」
「期待そして不安ね」
颯姫は??のその心を聞いて言った。
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