第一章
[2]次話
間違えられた猫達
ブラジル南東部のミナスジェライス州の集合住宅に母と妻二人の娘と一緒に住んでいる工場労働者のロドリゴ=カリルダークグレーの髭を口の周りと顎全体に生やしている髭と同じ色の短い髪の毛を持つ引き締まった長身の彼はその輪を聞いて顔を顰めさせた。
「嘘だろ!?」
「いや、嘘じゃないよ」
知らせた彼の友人はカリルに話した。
「本当に」
「マッシーナがジャガーと間違えられてか」
「森に捨てられたよ」
「ここはブラジルだぞ」
カリルは今度は怒って言った。
「森に入ればな」
「何がいるかわからないな」
「アマゾンの国だぞ」
ブラジルはというのだ。
「もうな」
「ああ、だからだな」
「確かにマッシーナは野生のヤマネコと家猫の混血のベンガルでな」
「ジャガーにも見えるな」
「けれど街ニジャガーがいるか」
「捕まえて森に捨てた消防署は開き直るかもな」
「ふざけるな、しかし放っておけるな」
カリルは即座に言った。
「今から一家全員でだ」
「マッシーナ探すか」
「マイクロチップは付けてるからな」
マッシーナの身体にというのだ。
「それでだ」
「それを頼りに探すな」
「ああ、今からな」
一家全員でとだ、そしてだった。
カリルはボランティアの人達にも頼んでそのうえでマイクロチップの反応をチェックしつつその森で一家全員でマッシーナを探した、だが。
猫は中々見付からず日も暮れてきた。
「蝙蝠が出るわね」
「チスイコウモリがな」
カリルは妻のイザベラ、やや太った長い金髪の整った顔の彼女に応えた。
「出て来るぞ」
「毒蛇もアナコンダもで」
「ジャガーもいるかもな」
「それじゃあ」
「まあ明日か」
「マッシーナ、出て来てよ」
下の娘のミカエラが言った、まだ小学生で母によく似ている。マッシーナは元々彼女が七歳の誕生日に父にプレゼントされている。
「もう日が暮れるよ」
「こっちよ」
上の娘のアクアも呼んだ。
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