第二章
[8]前話
ニッキーに修理したぬいぐるみを渡すと彼女はこれまで通りぬいぐるみと寄り添った、そしてそのぬいぐるみと一緒にだ。
初老の髪の毛が白くなっている白人の夫婦駅員と喫茶店をしている彼等の家に入ってだった。
ニッキーは幸せを得た、モンゴメリーは夫婦の家を訪問して今もぬいぐるみを一緒にいてそのうえで夫婦と供にいて幸せそうな顔で毛並みがすっかりよくなった彼女を見て自分も笑顔になり帰りに娘のプレゼントにぬいぐるみを買った。
この話をバージニア州リッチモンドの動物保護施設で務めている、ピーターズ=グレイ長身痩躯のアフリカ系の三十代の男性の彼は笑顔で青い目でソバカスのある青年にニッキーのことを話してから言った。
「デトロイトでもあるんだな」
「こうした話がですね」
「ああ、うちもな」
グレイは腕を組んで言った。
「ワッフルがな」
「ぬいぐるみ好きですしね」
「迷子で保護されてな」
自分達の施設にというのだ。
「それでな」
「長い間いましたが」
「その間な」
「ぬいぐるみ見付けたらずっと一緒にいますからね」
「そうだよな、ぬいぐるみがあるとな」
自分の傍にというのだ。
「人間も犬もな」
「寂しくないですね」
「だからな」
それでというのだ。
「その娘もでな」
「ワッフルもですね」
「ああ、それでな」
グレイは笑顔で話した、ここでその顔になった。
「ワッフルもな」
「これからですね」
「幸せになるからな」
「そうですね、ワッフル行こう」
後輩がだった、ここで。
それまでケージの中にいた黒い雌のピットブル赤い骨のぬいぐるみを咥えている彼女にケージの扉を開けて話した。
「これからな」
「ワン」
「幸せになろうな」
「どうぞ」
グレイは扉を開けた、すると。
そこに長いしかも量が多いブロンドの髪の毛のグレーの目の三十代の女性がいた、女性はワッフルが自分の前に来ると笑顔で抱き締め。
ダッフルも尻尾を振って応えた、そうして彼女達は家族となり。
後日送られた電子メールでサラリーマンの夫と共にワッフルを抱いている彼女を見てグレイはまた笑顔になった、見ればワッフルはとても嬉しそうで。
口にはぬいぐるみがあった、赤い骨のぬいぐるみは今も彼女と共にあった。
犬達が愛するぬいぐるみ 完
2023・5・16
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