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吸血鬼の真祖と魔王候補の転生者
第11話 殺戮
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るときも有るけどな」

「司祭様は慈悲深いからな・・・鞭だけでなく飴も与えて罪を認めさせようとなさるのさ」

「飴?」

「男と女でする気持ちいい事さ」

そこまで言うと、下衆共のにやにやとした笑いが更に酷くなる。

「魔女なんて所詮家畜さ。そんな奴らにわざわざ飴を与えて自ら罪を認めさせようなんて・・・司祭様は本当に慈悲深い」

「あぁ、まったくだ。昨日は俺たちも、神の名の下その下僕としてお勤めを手伝ったんだぜ。いやぁ、大変だった」

そこまで言えば昨夜の事を思い出したのか更に笑いはじめる。

私は片方の男の目の前に立つ。

「ん?どうした?」

「ありがとう。いい話を聞けたわ・・・死んで頂戴」

「は?」

ザシュッ!・・・ゴロン・・・ドサッ!

微笑みかけながら宣告すると、私は迷いなくレクイエムを抜き、一太刀で下衆の首を斬りおとす。

すぐに隣でも同じ音がして、視線を向ければエヴァがクライストを一振りし血を払っている。

「あの魔法は?」

「私だけが使えるFF魔法の一種よ。相手を混乱させて、認識を誘導する魔法」

「認識疎外じゃだめだったのか?」

「あれは広範囲・大多数向けだもの。それに認識を阻害する範囲は個人差が出る。そもそもあれの効果は、あくまで認識をまったくしないか、認識した非現実を常識の範囲内に修正するくらいの力。言いかえれば、認識をOFFにするか、目の当たりにした現実を、掛けられた人間の常識に修正して認識する力よ」

「コンフュと認識阻害、どう違う?」

「あの下衆共にとって私達は、突然現れた女。不審や警戒を感じるのが当然で、彼らの常識には存在していない。そんな奴らに認識阻害を掛けても大して効果はない」

「・・・」

「それに対してコンフュは、相手の認識を直接阻害する。今回は私達に対して好意的な感情を抱くように混乱させたわ。だからあそこまでぺらぺら喋ってくれたのよ」

「認識阻害にそんな落とし穴があったとはな・・・」

「原作の知識のお蔭よ。野営で見つからないように結界として張るとか、その程度なら問題ないけれど」

「昨日の酒場では認識阻害の方を張ったな。対象が多かったからか?」

「それもあるけれど、あの場には酒場の客は酒を飲む、という常識があるのだから問題ないのよ。私達が何をしていようと、その常識に修正されて彼らには私達が酒を飲んでいるようにしか見えないのだから」

「実際はあんなにいちゃいちゃしていた訳だがな」

「エヴァの可愛い姿は私のものだもの。例えばだけど、平和ボケした時代に認識阻害を多用すれば、その影響下の人間はそれがどんなに危険な行為でも、平和と言う常識に修正、阻害されて躊躇いなく行ったりするわ」

原作の薬
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