第11話 殺戮
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「あれか?」
「えぇ、そのようね」
皆さんごきげんよう、シルヴィアよ。
私達は昨夜酒場で決めた事を実行するため、昼過ぎに宿を出た。
そうして村外れまで来てみれば、それが視界に入る。
「この村の規模にしてはでかいな」
「えぇ・・・まぁどうせ、信者からかき集めたお金でしょうけどね」
目の前に立つ教会は、確かに辺境の村に建つにしては大きな規模だった。
大方、大きさで財力や権威を誇示しようといったところだろう。
まぁ、大きかろうが小さかろうが、やる事は同じなのだけど。
私は大抵同じだが、普段から色々な服を着ているエヴァも、今日は本気で私と同じ服装をしている。
神様から貰ったブーツ・ホットパンツ・ブラウス・ローブ・マント。
左の腰には短刀とレクイエム。
エヴァも左右の腰にクライストを差し、2人揃ってマントを翻し悠々と歩く。
その2人の左手薬指には指輪が光る。
ここに来るまで、村人の視線をかなり受けた。
全身黒に身を包んだ美女2人。視線を集めない訳ではないが理由は別にある。
黒い物を着る・猫を飼う・不審な行動をする。
魔女狩りの時代に避けられた行動の1つだからだ。
昨夜は夜で酒場という事でそれほどでもなかったが、昼間に堂々と着ればさすがに注目を浴びる。
そんな些細なことで魔女とされ処刑されたのが魔女狩りの時代なのだから。
この村でもその空気はしっかり根づいてしまっている。
・・・やはり、決まりね。
マスターの話でほぼ100%だったのが、ここまでの道中でより確信となる。
「おい、お出迎えのようだぞ」
「そのようね」
教会を視界に入れてから少し歩くと、向こうもこちらを視認したようで、視線を向けてくる。
教会の入り口に立っているのは男2人。革の鎧に長剣。賊か傭兵か、見分けがつかないような風貌だ。
まぁ、美女2人をにやけた顔で見ているのも主原因かもしれない。
男達が口を開く前に、小さく魔法を唱える。
「『コンフュ』」
効果が出たのか、一瞬2人の男の視線から光が消え無意識のように見える。
次の瞬間には元に戻り口を開く。
「なんだぁ、姉ちゃんたち?何か用か?」
「司祭様ならそろそろお勤めの時間だから会えないぞ」
にやにやと話す男2人。『お勤め』の言葉にエヴァがぴくりと反応する。
「私達、義姉妹で旅をしているの。ここには旅の安全を祈りに来たのよ。それより・・・お勤めってもしかして魔女絡みかしら?」
「あぁ。今ごろ魔女共を自白させるために、司祭様ががんばっているだろうよ」
「自白って事は・・・やっぱり拷問とかするのかしら?」
「あぁ・・・まぁそういう事をす
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