1−4話
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side 青山鶴子
まさか親がいないとは…
さすがに教えるのが剣術なだけ危ないこともあるから、親に話を通そうと思ったら両親とも他界しているとのこと。
さてどうしたもんかな。道場は近くにないし、ウチが毎回ここまで来るのもめんどうやしな。
それで悩んだ挙句もういっそ引き取っちゃえばええやん。ってことに考えが至ったわけで。
どうせこの場所に居ても、もっとひどいことされるやろうし、京都神鳴流を喧嘩に使われても困るしな。
ということで、ウチが引き取ることにした。幸いウチになついてるしな。
刹那に提案したら即OKやった。故郷を去ることにためらいがないって、今までどれだけひどい目に会ってきたんやろうな。
里側はもちろん厄介者がいなくなると思ってよろこんでたけどな。
…一瞬この里潰してやろうかと思った。
そこはなんとか営業スマイルでのりっ切ったけどな。
その後、ストレス発散に里の近くの木を何本かたたき切ってやったわ。
まぁ怒らせるようなことをする向こうが悪いわけやから、ウチは悪くない。
おっと、こんなことしとる場合やなかったわ。早く刹那のこと迎えに行かんと。
side 刹那
師匠はウチのこと引き取るいうことを里の人に話に行ったっきりなかなか戻ってこない。
まとめるような荷物はほとんどなかったから、ウチは時間をもてあましとった。
「刹那。迎えに来たでー」
「師匠遅いですよ。それで、どうでした?」
「大丈夫やった。むしろ喜ばれたよ」
「だからわざわざ伝えに行く必要なんてない言うたのに」
「念のためや。大人には色々とあるんやよ」
「そんなもんですか。…ところで師匠。さっき凄い大きな音が聞こえたんですけど。具体的には木が何本も倒れるような」
「奇遇やな。ウチもきいたわ。すごかったなー」
目を合わせず言うあたり師匠は何か知っているんやろか。
「まぁ子どもを迫害するような里やからな、急に木が倒れても不思議やないやろ」
「どう考えても不自然なんですけど…」
あれをやったのは師匠なのだろうか。でも、他にやりそうな人もおらんし。
一瞬で何本もの木を倒すなんて真似、普通の人ができるわけあらへん。それやのに簡単にやってしまうあたり、師匠の強さがわかる。それとも京都神鳴流が強いのかーーー
どちらにしろこれからは今までとは違う。ただ、自分の弱さに嘆いてただけの自分やない。
強くなるためのきっかけを掴めた。手段を得られた。
なら後は、ただ強くなるのみーーー
「なんや刹那。なんか嬉しいことでもあったんか?」
嬉しい?そう言われて自分が笑っていることに気付い
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