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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第2話
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「フッ!所詮は何も知らない箱入り娘に過ぎんと言う訳か?一国の主に祭り上げられているからどんな賢そうな事を言うかと思えば」
フローラ王女にとっては予想外の返答だった。彼女はてっきり国民の心を折る為のパフォーマンスと高を括っていたからだ。
「何!?」
「ならば聞かせてやろう……かつては魔界の神だったボケ老人の話を」
そう言いながら悪魔の目玉をちらっと見るハドラーちゃん。
「その名は『大魔王バーン』。かつては魔界最強の実力者と呼ばれ、その規格外の力から聖母竜マザードラゴンからも神をも優に超える力を持つと言われていたが、最近は太陽崇拝に過剰に現を抜かし過ぎて認知症が致命的に進行してしまってな……最近はこんなボケをかます様になった……『地上界さえなければ、魔界にも太陽の恵みが降り注ぐのに』……とな」
ハドラーちゃんの(大魔王バーンへの)悪意が籠った説明に、フローラ王女もやっと到着したロカ達も絶句した。特にフローラ王女は、唇がブルブルと震え、胃の奥から溢れ出た、悲痛な叫びを抑える様に、無意識に両手を口元に持っていく。
それに対し、ハドラーちゃんは淡々と説明を続ける。
「勿論、俺はそんなボケ老人に仕える心算は無いし、せっかく手に入れた(予定)地上をみすみす消滅させる心算も無い。で、お前達はどっちに仕えたい?俺か?それとも……この地上を消滅させる程致命的に認知症が進行し過ぎたボケ老人か?好きな方を選べ」

それを聞いたミストバーンの背筋は氷の様に冷たくなっていた。
「ミストよ……耳が遠くて聴こえなかったのだが、あの小娘は何と言ったのだ?」
焦るミストバーン。
「バ……大魔宮(バーンパレス)とピラァ・オブ・バーンの完成を急がせますので、しばしの御猶予をおぉーーーーー!」

フローラ王女とロカ達は心が折れそうになった。
例え目の前にいるハドラーちゃんを倒しても、更にその先には地上界消滅を目論む大魔王バーンが控えているのだ。
もうどうして良いのか解らなくなってしまっていたのだ。
ロカが落とした剣の音が、まるで心にヒビが入った時の音の様に響き渡った。

その時、軽快な声で割って入る青年の姿が。
「いけませんねぇ。女性を誘うときはもう少し優しく言わなくてはダメですよ」
その声に、その場にいた者達が振り向く。
「アバン!」
「アバン!?」
「アバン……」
周囲に釣られて「アバン」と言ってしまったハドラーちゃんが、慌てて言い直した。
「とは何の事だ?」
(危ない危ない!危うく、初対面じゃない事がバレる所だった!アレは、今の俺にとってはテイク1だと言うのに!)
「貴様も……この城に雇われた傭兵か何かか?だが、来るのが少しばかり早かった様だな?」
ハドラーちゃんが指を鳴らすと、悪魔の目玉がフローラ王女の真上に移動し、その触手
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