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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第2話
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。人間どもが惜しげも無く蹂躙されている現場に立っているのに傷1つ無い。その時点で怪しいとは思わぬか?」
両肩のスラスターを起動させてゆっくりと浮遊するハドラーちゃん。
「それに……この間、フローラ王女は誰が護っているのだ?」
ハドラーちゃんの指摘に、ロカがハッとする。
「……しまった!みんな城内に戻れ!急ぐんだ!」
「遅いよ」
ハドラーちゃんがフローラ王女がいる階まで上昇すると、フローラ王女に当たらない様に位置を調節しながら極大呪文を準備する。
「じゃ、色々と都合が有るから……派手にカッコつけさせてもらうか!」
「不味い!急げぇー!」
勿論、ハドラーちゃんがロカがフローラ王女がいる階に到着するのを待つ義理は無い。
極大閃熱呪文(ベギラゴーン)ーーーーー!」
ハドラーちゃんが放った極大閃熱呪文(ベギラゴン)が壁を突き破り、フローラ王女の左隣りにいた重臣の左頬を掠った。
それを視て、自身の軽率な判断を恥じながらフローラ王女の許へ急ぐロカ。
「くっそおぉー!間に合ってくれよ!」
一方、ハドラーちゃんはフローラ王女と対面していた。
「フローラ姫よ。お前の身柄もらい受けに来てやったぞ。この魔王自らがな。フハハハハ!」
その際、魔法の筒をこそっと投げ捨て、中にいた悪魔の目玉を解き放った。

一方、ハドラーちゃんによるカール王国襲撃などどこ吹く風なミストバーンがバーンにある報告を行っていた。
「申し訳ございません。急がせているのですが、大魔宮(バーンパレス)とピラァ・オブ・バーンが未だ完成しておりません」
だが、バーンの言い分はミストバーンの予想とは真逆だった。
「ミストよ、そんなに余を急かすでない」
「は?」
「今回の地上界消滅計画は必ずや成功させねばならん。故に慎重に慎重を重ねて行わなくてはならん。ヴェルザーや竜の騎士(ドラゴンのきし)に邪魔されても困るからな」
それを聴いたミストバーンは、大魔宮(バーンパレス)の完成が遅れている事を焦った自分を恥じた。
「そこまで丁寧な考えをお持ちでしたか?差し出がましい事を致しました」
そこへ、1匹の悪魔の目玉がやって来た。
「ん?余に何を伝えに来たのだ?」

話をカール王国に戻すと、
「魔王よお前の企みは読めています!魔界の神にささげる生贄というのはただの名目!」
フローラ王女の言い分を聞いたハドラーちゃんが少しだけ不機嫌になった。
「名目?何を証拠にそんな事を?」
「いかなる手段をとっても私を奪い去り、国民に無力を痛感させ、世界征服を早めようというのが真の目的でしょう!」
ハドラーちゃんが少しだけ緊張した。
(ここだ!このフローラ王女の言い分に対する返答を変えれば、世界の歴史は俺が知らない方向へと舵が変わる!大事な場面だ……失敗は……許されない!
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