第2話
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が思い出したは、大魔王バーンのあの言葉。
「今のはメラゾーマでは無い……メラだ……」
(大魔王バーンに、皆が既に知っている呪文は絶対に通用しない!なら、この俺もオリジナルの呪文を開発する必要が有る!)
「それともう1つ」
「はっ!」
「例のフローラ王女の事だ」
一同が驚きを隠せなかった。
地上の全てを破壊してしまうかもしれない大魔王バーンの討伐が地上制圧の絶対条件だと言うのに、今更カール王国のフローラ王女に現を抜かすのだ。一見すると矛盾している様にしか見えない。
「決行は1週間後。俺自らフローラ王女を迎えに往く。お前達はついて来なくても良いぞ」
「御言葉ですがハドラー様、今後の事を考えると、あの様な辺境の国の―――」
ハドラーちゃんは、ドスを利かせた声で一同を制した。
「この俺が心細く見えるか?」
「え?」
「この俺が弱々しく見えるか?部下を盾にしないと何も出来ない様に見えるか?」
「あ……いえ……そう言う事では―――」
「違う違う違う違う。俺は地上征服を成し遂げる。バーンなんぞにも負けんし、カールなんぞにも負けんし、人間どもが切望している勇者なんぞにも負けん」
ハドラーちゃんの迫力に、一同は何も言えなかった。
「それと、先方には既にフローラ王女の御迎えの件は伝えてある」
ガンガディアがどうにか声を絞り出す。
「あのぉー……それでは、奴らはかなり警戒をして警備を強化する―――」
それに対し、勝ち誇る様に微笑むハドラーちゃん。
「それで良いんだよ。その方が人間どもの今の力が解るし、ある意味あのボケ老人への挑発にもなる……俺は……強さにしか興味が無いのだよ……」
その結果、ハドラーちゃんはボーイレッグとストラップレスブラしか着用していない状態でカール王国を訪れる羽目になったのであった。
城壁に腰掛けているハドラーちゃんの許へ、外の騒ぎを聞きつけたロカがやって来た。
「モンスター共が何時の間にこんな所まで!?」
それに気付いてハドラーちゃんがロカに声をかける。
「来たな?お前は確か……ロカ……とか言ったか?」
「何者だ!?」
一旦はハドラーちゃんに剣を向けるロカだったが、ハドラーちゃんの姿を見るなり。
「お嬢ちゃん、そんな所にいたら危ないぞ。と言うか、その格好を何とかしてくれ。目のやり場に困る」
ハドラーちゃんは、ロカの言い分も一理あると確信していた。
今の自分の姿は、明らかに元気だけが取り柄の人間の少女にしか見えない。しかも、衣装も威厳を重視したマント姿ではなく、ボーイレッグとストラップレスブラのみの戦場をなめているとしか思えない軽装。とても激戦向きの姿じゃない。
が、ハドラーちゃんはロカの危機管理の無さに危機感を懐いた。自分の姿を棚に上げながら。
「勘が鈍いなぁーお前。よぉーく考えてみろ
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