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八条学園騒動記
第七百三話 桜だけでなくその五

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「あのな」
「皇帝ですね」
「連合でも二人しかいない」
「至高とされる存在ですね」
「そうだ、その天皇がいるだ」
「その街のお料理は」
「こちらの料理と同じくな」
 ここでだった、大尉は。
 これ以上はないまでにわかりにくい風にして薩摩星系の方言を出してだった、上等兵に対して話した。
「調味料はあまりだ」
「用いずに」
「素材を活かしてな」
「調理していますね」
「それはだ」
 日本の帝都である山城星系の料理はというのだ。
「昔かららしい」
「昔といいますと」
「この国の昔はな」
「連合の中でもかなりですね」
「中国やエチオピアの次か」
「あの聖書やギリシア神話にも出て来る」
「あのエチオピアのな」
「次に来ますね」
「中国で五千年だ」
 その歴史はというのだ。
「夏王朝からな」
「その頃から数えて」
「それだけでエチオピアはな」
 大尉はここで親子丼を食べ終えた、上等兵もうどんを食べ終えた。
 そしてそれぞれ次のメニューに移った、そのうえで話した。
「ソロモン王からだからな」
「ソロモン王とシバの女王の間に生まれた王子からですね」
「はじまったとされるが」
「大体紀元前からしますと」
「四千年とな」
「少し位ですね」
「それ位か」
 おおよそというのだ。
「そうだな」
「そしてギリシア神話にも出ていますね」
「アンドロメダはな」
 ペルセウスが助けたこの美貌の王女はというのだ。
「そう言われているな」
「別の国という説もありますね」
「あのエチオピアではなくな」
 アフリカ北東部のエチオピア高原にあったというのだ。
「北アフリカ海岸部にあったともな」
「言われていますね」
「だがエチオピアというとな」
「やはりあの国ですね」
「そして古代エジプトともな」
 こちらとも、というのだ。
「争っていたとな」
「歌劇でもありますね」
「アイーダだ」
 ヴェルディの代表作の一つである、他ならぬエチオピアの王女アイーダとエジプトの将軍ラダメスの国の戦争を背景にした悲恋の物語である。
「それにも出て来るまでのな」
「古い国ですね」
「そして日本はな」
「その二国の次ですね」
「紀元前にして六百年か」
「それ位の頃にですね」
「はじまったな」 
 そうしたというのだ。
「かなりだ」
「古い国ですね」
「神武開闢がだ」
 その頃がというのだ。
「何でもな」
「その時から歴史のある」
「古い歴史がありな」
「それで、ですか」
「山城という国に遷都してな」
「それまでは大和とかいう国にでしたね」
 上等兵も薩摩星系の方言のアクセント強くさせて話した、二人共そうして周りに聞かれても自分達の言葉がわからない様にしているのだ。
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