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八条学園騒動記
第七百三話 桜だけでなくその四

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「最早異常者だ」
「左様ですね」
「それも愚劣な、な」
「あくまで人を騙そうとする」
「そうした輩は誰も信用しなくなる」
「流石に」
「周りも見るからな」
 その嘘をというのだ。
「そして知らない者を騙そうとしてもな」
「すぐにばれます」
「それが繰り返されてな」
「まことにです」
「誰からも信用されなくなってだ」
「詰みますね」
「そうなる、正真正銘の外道は人の信頼なぞ気にしないが」 
 これは自分しかないからだ、他人なぞどうでもよく利用する相手としか認識していないからである。
「しかしな」
「誰も信頼出来ない相手と何かしようとはです」
「思わない」
「全くな」
「だから相手にされなくなり」
 親子丼を食べつつだ、大尉は話した。
「何も出来なくなりな」
「破滅します」
「そうなる、だがな」
「それでもですね」
「そうした輩でもな」
「味覚はです」
「嘘は吐かない」
 これはというのだ。
「美味いものはな」
「美味いとです」
「わかる」
「左様ですね」
「連合の食事はな」
 それはというのだ。
「我々からしてもな」
「美味いですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「まさにな」
「左様ですね」
 上等兵はうどんを食べつつ応えた。
「この味は」
「素材を活かすと言ってもな」
 エウロパの料理特に貴族のそれはというのだ。
「そうそうだ」
「わからないですね」
「何でもだ」
 大尉は親子丼の中の鶏肉を噛みつつ言った。
「日本の都の高級料理だが」
「山城星系の」
「そちらは最初食べるとな」
 そうすると、というのだ。
「味がないらしい」
「連合の料理でも」
「だが食べ終わって暫くしてな」
 それからというのだ。
「少しずつ口に風味が広がっていくそうだ」
「そうですか」
「それはな」
「似ていますね」
 エウロパ貴族の料理にとだ、上等兵はこの言葉を行間に込めて話した。
「そこは」
「そうだな」
「連合にはそうした料理もありますね」
「中にはな」
「日本の都と都といいますと」
 上等兵は言った。
「あの」
「天皇だ」
 大尉はこの存在の名前を出した。
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