第七百三話 桜だけでなくその三
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「しかしな」
「美味いですね」
「学生の食堂でもな」
「美味くすることをですね」
「突き止めていっている」
「それが連合ですね」
「さもないとな」
味がよくなければというのだ。
「誰もだ」
「来ないですね」
「それがこの国だ」
「連合ですね」
「どういった店でもな」
「そうですね」
「間違ってもだ」
ここで大尉はこう断わって上等兵に話した。
「某国の学生寮のな」
「ああ、我が国もです」
「そこに入るな」
「はい、実にです」
「酷い食事だな」
「私は知りませんが」
それでもというのだ。
「部隊の食事はです」
「貧相とだな」
「他国の同期からです」
「言われていたな」
「そうでした」
上等兵は祖国の話をした。
「何かと」
「そうだったな」
「まるで、です」
それこそというのだ。
「粗食過ぎて」
「驚かれたな」
「そこまででした」
まさにというのだ。
「我が国は」
「他の三国もな」
「はい」
イギリス系の四国、イングランドにスコットランド、ウェールズ、アイルランドであることを周りにはわからない様にして話した。
「まことに」
「そうだな、どしうしてもな」
「軍隊でもです」
「食事が悪いな」
「粗食と言うにもです」
「おこがましい位だな」
「そうでして」
それでというのだ。
「その祖国から見ますと」
「連合の食事はな」
「味が濃く」
そしてというのだ。
「その種類も多いですが」
「それでもだな」
「美味いことはです」
このことはというのだ。
「紛れもなくです」
「事実だな」
「舌は嘘を吐きません」
この感覚はというのだ。
「病的な嘘吐きでも」
「息をする様に嘘を吐く輩でもな」
「それこそ三十分前に見破られた嘘を同じ人間に言う様な」
その嘘を見破った相手にというのだ。
「恒常的に嘘を言う輩でも」
「味覚は嘘を吐かない」
「嘘は舌で出すものですが」
味覚を味わう舌でというのだ。
「それはです」
「嘘を吐かない」
「左様です」
「そんな嘘吐きは誰も信用しないがな」
それこそ三十分前に嘘を見破った相手に同じ嘘を吐いて本気で騙そうとする様な輩はというのである。
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