本番の始まり
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<バラモス城>
「あ、あの…リュカさんは何故嬉しそうじゃ無いんですか?」
喜び騒ぐアルル達を余所に、リュカは周囲を見渡し渋い顔をしている。
大好きなリュカとも喜びを分かち合いたいハツキは、リュカの不審な態度を疑問に思い尋ねる。
「リュカさん…何か問題でも?」
「ん!?……うん……ちょっと……」
リュカの歯切れの悪い返答に、騒いでいたアルル達も静まり注目する。
「ど、どんな問題があるんですか!?バ、バラモスは倒したんですよ!そうやって私達を脅かして楽しんでるんでしょ!」
喜びに水を差すリュカの態度が気に入らず、つい声を荒げてしまうアルル…
「アルル達は妙だと思わないのかい?」
ヒステリックに大声を出すアルルを気にすることなく、リュカは自分が感じている疑問を口にする。
「妙って…何がですか?」
「気配だよ、気配!ティミーは感じないのか?」
リュカの言葉にティミーもアルルも今一ピンときてない様子。
「お父さん、もっとハッキリ言った方が良いと思います」
「はぁ…周囲の気配を探ってみろ!殺気だった気配があるだろう!」
「そりゃありますよ!この城には大量のモンスターが蔓延ってたじゃないですか!忘れたんですか!?」
リュカの言いたい事が妹には分かっていて、自分には見当も付かない事に苛つきを感じ、思わず怒鳴ってしまうティミー。
「おかしいだろ…諸悪の根元であるバラモスを倒したのに、未だにモンスターが凶暴化したままって!」
「「「「……………」」」」
やっとリュカの言わんとする事が理解出来たアルル達…
しかしそれがどういう事なのかまでは思考が達しない様子だ。
「え〜と…つまりバラモスは死んでないって事?」
「な、何言ってんのハツキ!バラモスは死んだじゃない!見たでしょ、ヤツが死ぬ所を!私達はバラモスを倒したのよ!」
ハツキの言葉に取り乱したアルル…
「落ち着いてアルル。バラモスは死んだよ!この城から漂っていた禍々しいバラモスの邪気は、完全に消え去っている!」
ティミーはアルルを抱き締め、優しい声で落ち着かせる。
「アルルさん…お父さんはバラモスが生きていると言っているワケではありません。バラモスが諸悪の根元では無いのでは?…と言ってます!」
「そ、それって…今までの事が無駄だったって事!?」
「そ、そうは言って無い………」
アルルは金切り声を上げながら状況を説明しようとしたマリーに突っかかる。
やっと終わり、平穏な生活に戻れると思った矢先のこの状況…
彼女は些か取り乱している。
すると…
「アルル…」
ティミーが優しくアルルを抱き締め呟く。
「落ち着いてアルル。君のしてきた事は無駄なんかじゃないよ」
「で、でも!…バラモスを倒したのに、全然平和にならないじゃない!どうして
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