本番の始まり
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よ!幼い頃からバラモスを倒す為に努力してきたのよ!世界を平和にしたくて、同い年の女の子と遊ぶのも我慢して…なのに…」
ティミーに抱かれながらも混乱は収まらず、彼女の瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちる。
「アルル…君は間違っている!」
そんなアルルを見てリュカは、優しく慰めず厳しい声で叱咤する。
「バラモスを倒す事=(イコール)平和の訪れ…と考えていたのだろうが、それが間違いなんだよ!きっと何処か別の所に、バラモスより上の存在が居て、そいつが原因で世界が混乱に貶められたんだ。バラモスはそれを管理していた三下に過ぎないって事だ!」
「バラモスより上の存在って誰よ!?何処に居るのよそいつは!?」
アルルはぬか喜びの怒りをリュカにぶつけるかの様に、睨みながら大声を発している。
「知るかよ、そんな事!!」
「な!?む、無責任野郎が……」
リュカのぞんざいな答えに殺しそうな勢いで暴れ出す。
ティミーに抱き押さえられて無ければ、間違いなく斬りかかっていただろう。
「ア、アルル…お願いだから落ち着いて!き、君は…アリアハンを出た時から、バラモスの居所を知っていたのか?」
「……………いえ…カンダタに教えてもらうまで、知らなかったわ………」
何とかアルルを落ち着かせようとしているティミーから、これまでの事に関する質問を受け静かになる…
「じゃぁ…次なる敵も、世界を旅しながら見つければ良いじゃないか。居場所さえ分かれば、アルルの実力なら簡単に倒せるよ…きっと…」
『きっと』と付けてしまうのがティミーの正直すぎる欠点だろう…
「う、うん………でも…今度は名前も分からないんだよ…どうやって探せば…」
彼氏に優しく宥められ、静かになるアルル…
だが、前途の困難さにまた泣き出してしまう。
「じゃぁさ…取り敢えず此処を出て、ラーミアに乗って世界を見回ろうよ!…町や村だけじゃ無く、それ以外の森や山なども見回ってさ、モンスター達の現状を確認して考えようよ」
何時もの様な優しい声で提案するリュカ。
誰からも反対意見は上がらない…
この提案以外に何も思い付かないから…
アルルも泣きながら同意する。
ティミーに抱き締められてなければ、もっと醜態を晒していただろう。
彼女もそれが分かるから、更に強く抱き付くのだ。
彼が居て良かった…
そう思い、一層の愛がアルルを支配する。
既にティミー無しでは生きて行けなくなっているのだ。
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