16話 Turning point 【分かれる道】
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
側に寄った千砂都...彼女の姿に速人は別のモノを感じ取っていた。
千砂都の胸あたりに渦巻く緑のオーラ……それはまさに竜巻と形容するにふさわしいか???しかしそんなことを考える余裕はなかった。
速人は徐々に衰弱して意識が朦朧とし始めた???そんな時。
視界が急にクリアになった。
「うっ……!」
「速人くん!?」
「えっ。」
速人本人すらも困惑する事態……疲れが一気に吹き飛び、体もいつでも戦闘可能な状態へと戻ったと彼は自覚した。
考えうるのは???いやそんなはずはない。
速人はパッと立ち上がって、千砂都に礼を言う。
「ありがとう千砂都。もう大丈夫……ばっちしだ。」
「無理しないでよ速人くん。あなたの身に何かあったら……私、ううん、かのんちゃんが心配するの!」
「……あぁ、そうかな。」
「そうかなって…そうに決まってるよ!!」
速人は首を傾けて否定気味な反応を示す???それに千砂都の眉はクッと上がる。速人のその態度に不満なのは言うまでもなかった。
そこに……
「速人(くん)!!」
「かのん…可可…!」
ばっと2人に抱きつかれた速人。
「見てクダサイ、ハヤト!!」
「あぁ……お前らの想いが通じた証だ。」
新人特別賞を獲得した???優勝こそ逃したが、俺の言葉に出したことが全て。想いが通じたというだけで最高だった。
「デスが…」
可可は少し目を逸らす。そんな彼女に隣にいたかのんは自信に満ち溢れた声で言い放つ。
「確かにこれからスクールアイドルを続けられるかはわからない……でも私、全然後悔してない!!だって!可可ちゃんと???速人くんたちのおかげで最高のライブができたから!!!」
「かのん…!」
「あぁ???今なら『アイツ』の言葉、分かる気がする。」
【本気でスクールアイドル活動がしたいなら、別に誰かに認めてもらう必要はない】
小原魁が言い放った暴論……この意味が何となく理解できた。
なぜならスクールアイドルを1番体感できるのは本人たちであって、その高まりを誰かに認めてもらう必要はない???当然のことだ。
この高まりを阻害するのは他ならぬ敵???これを排除することこそ、自分の使命。
速人は使命を真に理解した。
「そういえば可可、さっきに俺の名前……」
「はい。ハヤト???そう呼ばせてクダサイ♪」
「???おう。」
上目遣いで聞いてきた可可に、速人はサムズアップで返す。
可愛らしい仕草の可可の顔は少し紅潮していて、かのんに向ける友情とは…「どこか違う」ようにも見受けられた。
当然、それを側の幼馴染2人も本能的に察した。
〜〜〜〜〜
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ