16話 Turning point 【分かれる道】
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いわけがない。
侑は歩夢を突き放してしまう。
「え……侑ちゃん?」
「あ、あ、ご、ごめん……」
目のハイライトが一瞬消えたことに、夢での恐怖が重なって、本能的に謝る侑。
すると歩夢は微笑して返す。
「ううん、こっちこそごめんね?急に抱きついちゃったりして……このまま侑ちゃんが死んじゃったらって思ったら不安で不安で????だから今、本当に嬉しかったから……」
「死ぬ…?」
「侑ちゃん、毒のせいでもうちょっと治療が遅れてたら死ぬところだったんだよ?」
「そう…なんだ。」
先ほどの夢の印象が強すぎていまだに自分の置かれた状況が理解できない侑。
その時、病室の扉が開く。
「侑さん!!起きましたか!?!?」
「ナナ……せつ菜ちゃん!」
「よかった…その様子だと大丈夫そうですね!」
一安心したせつ菜。その様は歩夢とは対照的に、若干オーバーリアクションでありながら、元気溢れるもの。侑の心も癒される。
侑は思い出したようにせつ菜に尋ねる。
「そういえばイベントの結果は……」
「それはですね…」
せつ菜は????左手で腰に隠していた「トロフィー」を取り出す。
「こういうことです!!」
「わぁ!!優勝!?おめでとう!!!」
「ありがとうございます!??ですがこれは通過点ですよ!ラブライブは……今年のラブライブは近づいてますから!!その大舞台を同好会のみんなで歌うんですから!!」
「うん…!」
侑は少し神妙な顔でせつ菜に相槌するが……その眼差しが徐々に歪む。
「でも……本当にそれだけでいいのかな?」
「どういうこと?」
歩夢の質問に侑はこう返す。
「『僕』は同好会の1人1人が好きなことを追求できるような場所にしたいんだ。そう考えた時、ラブライブに出ることだけが本当に正しいのかなって……」
「「侑ちゃん(さん)……」」
?????※?????
少し時は遡る……ちょうど結果発表が行われてすぐの話だ。
緊張の糸が切れたのか、速人の呼吸が一気に荒くなり、一気に膝をついた。
「速人くん!?」
「大丈夫、千砂都……疲れが溜まってるだけ…だ。」
言葉とは裏腹に火炎剣を杖代わりにしてようやく膝立ちできているくらいだ。大丈夫とはとても言えない。
「(流石にあの技がキツかったか……!)」
速人が受けたダークキバの【絶滅・ザンバット斬】???そのダメージがようやく芽を出した……というより速人がやせ我慢していたのだ。
速人の目はピントがボケて、外界が歪んで見えた。
「速人くんしっかりして!速人くん!!」
「(……千砂都?)」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ