16話 Turning point 【分かれる道】
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。何せあの純粋なユエルを誘惑して、神々に叛逆させたのだからな。お前はユエルのためなどと言いながら、骨抜きにして惑わした。お前はそのユエルすら不幸にしようとしているとは……愚かしい。」
「……」
冷たく言い放ったミハエル???アユムエルは愛憎に囚われて数々の禁忌を犯している。本当なら神々に消滅させられてもおかしくないはず。
しかしここでミハエルは妥協案を提案する。
「だが情け深いユオス様は天界に戻れば罪を許すとおっしゃった。だから……」
その妥協の言葉にアユムエルは一斉に不機嫌になる。
「だから?ユーちゃんと永遠に離れたまま、そんな地獄を過ごせと?ふふっ……面白くない冗談ですね♪」
そこで今度は弟のサタエルが強硬派のミハエルを押しのける。
「姉さんの愛憎はわからぬでもないが、この一件に父のハイパーロード様はひどくお怒りだ。このままでは天界とも大きな争いになる。まずは落ち着いて話し合いを……」
その理性的な話をアユムエルはその言葉をシャットアウトする。
「いいえ。私はそんな話はしたくないし、あなた達の言い分も聞きたくない。喋るのは私だけでいいの。
お兄さまもサタエルも、神様も、優しかった母上様も、恐ろしい父上様も…もう誰も私に口を出させないんだから。」
闇に落ちた太陽の力が地面を侵食する。その邪悪な力に天使の中で最強のミハエルすら戦慄した。
しかしサタエルは冷酷に彼女に警告する。
「あなたは神に見放されている。そんなあなたがどれだけ足掻こうが、待っているのは更なる不幸だけだ。俺にはその未来が見えますが……」
だがアユムエルは聞く耳を持たない。その紅潮した顔に手を当てる。
「うるさいなぁ。私はユーちゃんを手に入れてこの宇宙を滅ぼす……それだけなの?あぁ……待っててね???
ユーちゃん?」
〜〜〜〜〜〜
『これは過去の出来事です……しかし歴史は時計が一周するように、繰り返します。』
「(誰……?)」
『高咲侑、君この世界に息を潜めている邪悪の権化を倒すことができますか?』
「(邪悪の権化……何なのそれ?)」
ーーー
「……!」
侑は開眼する……夢から覚めたその場所は、見覚えのないベッドだった。
そして目を覚ました刹那????
「侑ちゃん……侑ちゃん!!」
「あ、あゆ…む!」
ギュッと抱きつく歩夢。普通女同士とはいえ、人に抱きつくには理性的には抵抗があるはず……しかし、大好きな人の命の危機にそんな恥じらいすらも気にする余裕はないのだろう。
しかし侑はそうではなかった。先ほどの夢……歩夢と同じ顔の人物が怪物達の母になり、自分を欲しがっていた???恐怖しな
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