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星河の覇皇
第八十四部第一章 梟雄の復活その四十六

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「ティムールには弱点がある」
「弱点?」
「弱点といいますと」
「それは」
「軍の規模は置いておく」
 それはというのだ。
「まずはな、しかしだ」
「しかし?」
「しかしといいますと」
「それは」
「シャイターン主席と対抗出来るのは確かに私だけだ」
 このことを認めての言葉だった。
「そしてティムール軍はそれなりに優れた将帥が揃っているが」
「それでもですか」
「ティムール軍は、ですか」
「弱点がありますか」
「そうだ、八十点とだ」
 今度は点数から話した。
「八十五点いや八十三点ではどちらが勝つ」
「八十点とですか」
「それと、ですか」
「八十三点ですか」
「どちらが勝つか、ですか」
「そうだ、どちらだ」
 アッディーンは今度は武官達に問うた、問いつつも文官達が持って来たその書類政治の決裁のそれにサインをしつつ話した。
「どちらが勝つ」
「それはですね」
「やはりですね」
「八十三点ですね」
「そちらですね」
「点数が上の方です」
「そうだな、これは自明の理だ」
 点数が上の方がというのだ。
「まさにな」
「左様ですね」
「八十点と八十三点では」
「やはり八十三点です」
「そちらが上です」
「そういうことだ、同じ数と装備のレベルでだ」
 それでというのだ。
「それだとだ」
「どうなるか」
「そう考えるとですか」
「どちらが勝つか」
「それは、ですか」
「そこに答えがある、我が国は多くの戦いを経てだ」
 そしてとだ、アッディーンは書類のサインをしつつさらに話した。
「優れた将帥達が育ってきたな」
「そのことは事実ですね」
「サハラ西方の一国家からです」
「ここまで至りました」
「多くの戦いを経て」
「そうなりました」
「そのことからも言う」
 こう言い切った。
「オムダーマンは優れた将帥が揃っている、アレクサンドロスは強いが」
「あの英雄ですか」
「コーランのイスカンダルですね」
「ペルシャ帝国を滅ぼした英雄ですね」
「まさに無敵でしたね」
「誰もがアレクサンドロスではないが」 
 しかしというのだ。
「やはり優れた将帥は多いに限るな」
「左様ですね」
「軍にとっては」
「優れた将帥が多い」
「それに尽きますね」
「それでだ」
 こうも言うのだった。
「我が軍は優れた将帥が揃っている」
「閣下以外にも」
「そのことからですか」
「今言われますか」
「そうだ、そしてティムール軍はだ」
 次に敵であるこの軍の話をした。
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