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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第六十六話 双槍乱舞
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きを身体を逸らしかわしながら、士郎に魔力の籠った蹴りを放つ。
 それは

(こちらの読み通りだ!)

 振り下ろされていた赤き長槍が凄まじい勢いで引かれ、穂の腹で男の蹴りを叩きおとす。
 だがここで予想外の事が起きる。

「なっ!」

 男の足に込められた魔力が霧散し、それと同時に男のズボンの一部が霧散し、黒いソックスに包まれた足が晒される。

 士郎の手にある赤き長槍の銘は『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)
 ケルトの英雄、フィオナ騎士団随一の戦士、輝く貌のディルムッド・オディナが持ちし魔術を打ち破る魔槍である。
 そしてこの槍は士郎がフェイトと初めて出会った時に魔法を打ち破れるのか試し、魔法にも同様の効果を発揮した。

 さらに士郎の驚異的な視力は僅かな時間晒された足の肉付き、細さもしっかりと見ていた。
 そこから導き出されるのは

「女?……貴様、変身魔法で男に姿を変えているな」

 男の纏う変身魔法と男の本当の性別。

 そして仮面の男、もとい変身魔法で姿を変えている仮面の女も表情こそ、仮面で見えはしないが酷く動揺していた。

(バレた!
 いや、そんな事よりなんなのよアレ?)

 仮面の女が足を見るがそこには変身魔法がちゃん効果を発揮して男の足となっている。
 だがあの槍の穂に触れた途端、変身魔法の一部が解かれた。

(魔法無力化の槍?
 まずい。魔導師にとっては天敵みたいなモノじゃない)

 バリアジャケットにしろ、シールドやバリアにしろ魔力で編まれている魔導師。
 魔力を無力化する槍の前では防御などないに等しい。

 そんな仮面の女の困惑を察してか士郎の手から黄色の短槍が屋上に転がる。
 そして両手で握られる赤い長槍、ゲイ・ジャルグ。

「次で素顔を見させてもらうぞ」

 士郎のブレのない一点狙いに歯噛みする。

(ここで素顔がばれたらすべてが破綻する。
 なら腕一本、一瞬晒してもかわして一撃を叩きこんで逃亡する。
 あそこで見ている守護騎士はその時に攫って空に逃げ切れさえすれば)

 仮面の女も覚悟を決めて拳を構える。

 そして、その覚悟さえ、この一撃を受ける事を選択させることすら士郎の策。

(ゲイ・ジャルグに意識が向き、足元の短槍は気にも留められていない。
 さすがに管理局の手前命までは取らないが、その身をただで返すことだけはしない)

 睨みあう二人。
 士郎がすり足で僅かに間合いを詰める。
 その時

「っ」

 士郎が砕けた屋上のアスファルトに足を取られる。

 屋上のアスファルトを砕いたのは士郎が縦横無尽に振るった槍だ。

 両手で振るう槍を片手で縦横無尽に振り回したのだ。
 子供の身長と腕の長さ
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