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星河の覇皇
第八十四部第一章 梟雄の復活その四十三

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「だからだ」
「それ故にですね」
「閣下も」
「奥方様達に」
「姿を見せてだ」
 そしてというのだ。
「安心させる」
「そうされますか」
「これより」
「シャハラザードに向かわれ」
「そうする、是非な」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 シャイターンは電送機からシャハラザードに戻った、ベッドから出たばかりだったが彼はもうそこに向かった。
 このことを知っている者はティムールでも僅かだった、しかしアッディーンはティムール軍の動きをモニターで観た時に言った。
「戻ったか」
「戻ったといいますと」
「まさか」
「まさかと思いますが」
「シャイターン主席が戻った」
 こう周りに告げた。
「今な」
「まさか」
「まさかと思いますが」
「既にですか」
「そうだ、戻ってだ」
 そしてというのだ。
「これより采配を執る」
「そうなりましたか」
「今しがた」
「閣下にはおわかりですか」
「ティムール軍の動きが変わった」
 今しがたというのだ。
「まさにな」
「左様ですか」
「今ですか」
「そうなりましたか」
「そうだ、指揮官が変わるとだ」
 それでというのだ。
「艦隊の動きは変わるな」
「はい、確かに」
「布陣やその速さもです」
「それは普通にです」
「変わります」
「それでわかった、速度が速くなり」
 それでというのだ。
「布陣も変わった、あの布陣はだ」
「シャイターン主席のものですか」
「あの布陣は」
「まさに」
「速度もな、これは少しだが」
 その程度のものだがというのだ。
「やはり変わった、速くなった」
「そういえば」
「僅かですがティムール軍の動きが速くなっています」
「先程より」
「それだ、これまでは勝てたが」 
 アッディーンはアリーの艦橋にある総司令官の席からさらに話した、そこから敵の動きを見ているのだ。
「しかしな」
「これからは違う」
「シャイターン主席が戻られた」
「だからですか」
「楽には勝てない」
 そうなるというのだ。
「獅子に対することが出来るのは同じ強さの獣だな」
「左様ですね」
「獅子は強いです」
「そしてその獅子に対することが出来るのは」
「同じ強さの獣ですね」
「虎か豹だ」
 こうした獣達だというのだ。
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