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イベリス
第百二話 終わりゆく夏その九

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「ひいては階級だの何なのって」
「言うのってね」
「そこから革命とか言うのがね」
「狙いよね」
「本当のね。ああした人達ってね」
「革命ばかりよね」
「その本音はそれで」
 革命を考えてというのだ。
「暴力でよ」
「自分達がそうしたい社会作るのよね」
「革命ってわかるでしょ」
「一見聞こえはいいけれどね」
「結構血生臭いからね」 
 そうしたものだとだ、愛は語った。
「実際は」
「そうなのよね」
「もうね、流れる血なんてね」
 それこそというのだ。
「相当なもので」
「洒落にならないわよね」
「それはしないとどうにもならない時もね」
「あるわよね」
「まあフランス革命でもね」
 愛は革命と言えば最も有名と言っていいこの革命の話もした。
「あってよかったか」
「どうかしらね」
「当時の王様実際は悪い人じゃなかったし」
 ルイ十六世である、色々言われてきたが近年の研究で学問好きで寛容で思慮深く優しい人物であったことがわかっている、ただし決断がやや遅かったことが難点だったという。
「むしろ後のジャコバン派とか」
「何かあるとギロチンで」
「もっと酷かったから」
 それでというのだ。
「そうした人達と比べたら」
「遥かによね」
「王様の方がましだったしね」
「後のナポレオンも」
「やたら戦争したし」
 敵が多かったこともあるが彼が覇権を求めたことも大きかった。
「そういうの見たら」
「王様の方がよかったわね」
「そうなるわ、ロシア革命はね」
「今お話したソ連だから」
「もうね」
 それこそとだ、愛は話した。
「論外よ」
「そうよね」
 咲も同意して頷いた。
「何と言っても」
「革命はね」
「血生臭くなるのね」
「そうなることが大抵だから」
「どうしようもない時でないと」
「起こるものじゃないわよ」
 こう言うのだった。
「お金持ちになりたいならそうした努力をする」
「それが一番ね」
「あと格差社会とかいう言葉はね」
「警戒することね」
「そこから憎しみを煽る様な言葉は」
 そうしたものはというのだ。
「もうね」
「気をつける」
「共産主義には憎しみがあるのよ」
「貴族とか資本家とか地主さんとか」
「そうした人達へのね」
「それでお金持ちも嫌いなのね」
「そうよ、だからね」
 それ故にというのだ。
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