第三幕その九
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「それ自体はのう」
「左様か」
「そうじゃ、何かわしが主役の時代劇も多いそうじゃな」
こうも言うのでした。
「外の世界では」
「はい、かなりありますよ」
ナターシャが微笑んで答えました。
「秀吉さんが出られる時代劇は」
「それで主役にもじゃな」
「よくなっています」
「殿と徳川殿もじゃな」
「多いですね、日本では」
「そうじゃな、オズの国でも多くてな」
秀吉さんが出ている時代劇はというのです。
「わしはこんなに男前かとな」
「思われますか」
「いつものう」
「あたしだってだよ」
ねねさんは身振りを入れて笑って言いました。
「こんな別嬪さんじゃないよってね」
「思われますか」
「そうだよ、アニメだと凄く可愛い声だけれど」
それでもというのです。
「実際のあたしはこうだよ」
「そうですか」
「そうだよ、全く何処が似てるのか」
「全くじゃ、わしは別に男前でもないぞ」
秀吉さんはお口を大きく開けて笑ってお話しました。
「別にのう」
「そうですか」
「この通りな、しかし心はな」
こちらはといいますと。
「男前でありたいのう」
「そちらはですぁ」
「うむ」
是非にというのです。
「やはりな」
「そうですか」
「だから心はいつも確かにな」
「されていますか」
「明るく楽しくでな」
そうしてというのです。
「広く大きくじゃ」
「そうなる様にですか」
「いつも心掛けておる」
こうナターシャにお話します。
「そして武道で身体も鍛えておるぞ」
「そうですか」
「日々な、そのうえでな」
「楽しまれていますか」
「オズの国をな、それでお茶の後はな」
秀吉さんはさらに言ってきました。
「街に出て昼に美味いものを食うか」
「お昼にですか」
「うむ、河豚はどうじゃ」
「あのお魚ですか」
「あるのう、この街には」
「河豚のお店もですね」
「そうじゃ、わしは美味いものは何でも食うと言ったな」
ナターシャにこのことも言うのでした。
「だからじゃ」
「河豚もですか」
「好きでのう」
それでというのです。
「よく食しておる」
「それで、ですね」
「昼はそれにせぬか」
「それでは」
「あたし達の頃は河豚は食べなかったんだよ」
ねねさんも言ってきました。
「戦国の頃はね」
「毒があるからですか」
「外の世界の河豚はそうだね」
「はい、美味しいですが」
「美味しくてもね」
そうであってもというのです。
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