第三幕その七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「今のわしは天下人ではないぞ、天下人だった時もじゃ」
「こうしてですか」
「お茶を煎れられてたんですか」
「秀吉さんご自身が」
「そうだったんですね」
「その頃から」
「それが茶道じゃ、自分も煎れることがじゃ」
お茶をというのです。
「茶の道だからのう」
「だからですか」
「秀吉さんご自身が煎れてくれるんですか」
「そうしてくれるんですね」
「僕達に」
「それで一緒に飲まれるんですね」
「左様じゃ、では飲もうぞ」
笑顔で言ってでした。
秀吉さんはお茶を煎れてくれてそのうえでなのでした。
皆でお茶を飲みます、その中で和菓子も出ますが。
秀吉さんはピンクや水色、白といった色で彩られた奇麗な和菓子も食べて満面の笑顔で言ったのでした。
「美味いのう」
「そうだね、お茶にはお菓子だけれど」
魔法使いはその秀吉さんにお茶を飲みつつ応えました。
「和菓子もいいね」
「そうであろう、わしは甘いものも好きでな」
秀吉さんは魔法使いに応えて言います。
「こうしてじゃ」
「お茶と一緒にだね」
「よく食べておる」
「うちの人は何でも食べてね」
ねねさんが笑って言ってきました。
「こうしてだよ」
「和菓子もだね」
「よく食べるんだよ」
そうしているというのです。
「これがね」
「洋菓子や紅茶も好きじゃ」
秀吉さんはこうも言いました。
「あとコーヒーもな」
「そうなんだね」
「基本黒い食器でないならな」
それならというのです。
「いいぞ」
「そういえば貴方は黒い茶器やお箸が嫌いだそうだね」
カエルマンは秀吉さんのこのことを指摘しました。
「そうだね」
「うむ、昔からな」
「縁起かな」
「そうじゃな、あとわしは兎に角金色が好きじゃ」
「それで服もだね」
「そうしておる、実は天守閣もじゃ」
大阪城のそれを見てお話します。
「屋根を金箔したかったがのう」
「それがどうしてされなかったんですか?」
「何でも外の世界では今この天守閣はこうなっておるそうでな」
青緑の瓦の天守閣を見つつお話します。
「それでじゃ」
「だからですか」
「これにした、街の皆も言うしな」
このこともあってというのです。
「天守閣は今のな」
「外の世界のものですね」
「それにしたのじゃ」
こうお話するのでした。
「皆も喜んでくれるしのう」
「そうだったんですね」
「わしは笑顔も好きでのう」
秀吉さんは笑ってこうも言いました。
「皆が喜んでくれるならな」
「天守閣もですね」
「そうする、しかしな」
ここで、です。秀吉さんは。
少し苦笑いになってです、こんなことを言いました。
「この天守閣は怪獣に壊されることもあるらしいのう」
「特撮ですね」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ