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第二十一話 哀愛その十一

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「大きな力になります」
「そうだね、それじゃあその為にも」
「東京に戻って」
「議事堂でね」
「姫様にお会い下さい」
「まずはそれからだね」
「やはり」
 こう昴流に答えた。
「そうなります」
「それではね」
「議事堂に行かれるのははじめてでしょうか」
「そうだよ」
 昴流は一言で答えた。
「僕はね」
「そうなのですね」
「ではね」
「案内させてもらいます」
「それはいいよ、行ったことはないけれど」
 それでもとだ、昴流は嵐に答えた。
「知っているからね」
「議事堂への道は」
「東京にずっといるからね」
 その為にとだ、昴流は微笑んで述べた。
「だからね」
「それで、ですか」
「うん、議事堂への道は知っていますか」
「そしてね」
 そのうえでというのだった。
「議事堂に入っても」
「それからもですね」
「気の流れを読めば」
 その様にすればというのだ。
「丁様の場所はわかるからね」
「扉も」
「隠されているね」
「はい」
 嵐はその通りだと答えた。
「そうなっています」
「そうだね、けれどね」
「気の流れを読めば」
「それでわかるから」
 だからだというのだ。
「案内はね」
「不要ですか」
「そうだよ」
「ほなそこまで一緒にえてええですか?」
 空汰は笑って言った。
「そうしても」
「議事堂までだね」
「はい、そうしても」
「それが君達の行く道だしね」
「そうですさかい」
「僕が来たと報告する為に」
「おひいさんに」
 他ならぬ彼女にというのだ。
「そうですさかい」
「そうだね、僕がいなくても」
「それは絶対ですさかい」
「ではね」
 昴流はここでも微笑んで答えた。
「宜しくね」
「ほな一緒に行きましょう」
「そうしようね」
 昴流はこう言ってだった。
 空汰そして嵐と共に東京に戻った、一つの哀しい愛の結末を見届けてからそのうえで帰路についた。そして。
 東京に着くとだ、彼は二人に東京駅で話した。
「この駅もね」
「結界ですか」
「そうなのですね」
「そのうちの一つだよ」
 こう話したのだった。
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